こんにちは、業界15年以上。現役コンサルタントのkurokoです。
私はコンサルティングファームで新卒の採用面談や中途入社の面談をよく担当しますが、必ず質問を受け付けています。
その中でよく質問を受けるのが、「コンサルタントとして基本的なスキルってどういうものですか?」というものです。
特にコンサルティングの経験がない方は、とても気になるようですね。
確かに、PJにアサイン後、コンサルタントとして基本的なスキルがあるか、ないかでは大きく違います。
さらに、その滑り出しがうまくいかないと、その後の作業において結構影響するものです。
というのも、一度「あいつはコンサルできない」というレッテルが貼られると、なかなか覆しにくいためです。
コンサルティングファームへ転職したい方で、そうなりたくない。という方は、ぜひ転職活動と共に、コンサルタントとして求められる基本的なスキルの構築を並行して実施することをおすすめします。
それほど長期間かかるわけではなく、数ヶ月程度で、習得可能なので、今のお仕事や学生をやりながら、少し頑張っておくと、入ってからのスタートダッシュはうまく行くでしょう。
この記事では以下のような方に対して、コンサルタントとして必要なスキルは何か、それはどのようにつけるのかを業界15年以上の現役コンサルタントの私が解説したいと思います。
- コンサルティングファームに転職しようと思っている
- 今までコンサルティングの経験はなく、コンサルタントになるのが不安
- コンサルタントとして基本的なスキルは転職する前につけておきたい
当てはまりますか?当てはまるようなら、お役に立てると思います。
それでは、1〜2分で読めると思います。
コンサルタントに求められる超基本的なスキルは5つ
コンサルタントとして持っておいて欲しい、基本的なスキルは5つあります。
これらのスキルは、入社してからでもつけられますが、どれ1つない。あるいは、著しく不足していると、転職直後につまづくことになります。
まず、結論から提示します。5つのスキルはこちら。
- 論理的思考能力(ロジカルシンキング)
- コミュニケーション能力
- 紙書き能力
- プレゼン能力
- 英語力
これら、問題なくできます!という方は以降読んでいただく必要はないです。
できそうな気もするけど、どこまで出来ればいいのか?
と不安に思う方がほとんどだと思います。
入社後にスキルをつけてもOKだが、、
これらの能力は、もちろん入社してからつけていくでもOKです。
というか、最初から完璧な人などいないですので、普通は入社後につけることになります。
ですが、スキル全く無いのであれば、ちょっと勉強しておくことを強くオススメします。
なぜかというと、転職直後には簡易な研修を経て、すぐにPJにアサインされます。
当然、OJT という形で上司から指導してもらえますが、OJTということはクライアントに伝えられて、名実共に研修です。という形で進む事はめったにありません。
よって、少なくともクライアント向けには、中途入社後すぐに、コンサルタントとしてパフォーマンスを出すことが求められるのです。
ですが、これは、PJを仕切るシニアマネージャーやマネージャーの責任で、クライアントにどのように見せるかをコントロールするという仕事です。
あなたのバックグラウンドや中途入社後すぐのアサインメントであると彼らも理解しているので、無茶苦茶な指示はしません。
KUROKO
ですので、ある程度最初からできなくても、実際のPJで改善していけば良いわけです。
上司も人なので、心象に影響しない程度に戦力になるようにしておいた方が良い
しかし、シニアマネージャーやマネージャーも人です。
クライアントからの高い期待値とプレッシャーで切羽詰まっている状況もあり得ます。
そんな中、単価は高いがパフォーマンスはイマイチの中途の方はとばっちりを受けやすいです。
良い上司を装いますが、心の中では「あいつは紙もかけない」、「あいつはクライアントの前に出しちゃだめ」というのをわかっています。
そして、無事にPJが終了し、リリースされた後、次のPJにいく際に、そこのマネージャーにあなたのパフォーマンスは筒抜けになっています。
そこで、かなり低い評価が伝えられると、そもそもアサインされない。
あるいはアサインされても、最初からこいつはパフォーマンスがイマイチらしい。というバイアスがかかって扱われることがありえます。
この状況になると、かなり苦しいです。
それなりのキャッチアップとパフォーマンスを出していかないと、なかなか認められることが難しくなっていきます。
こういう困ったことにならないように、転職前にある程度基本的なスキルをつけておいた方が良いです。
どのように基本的なスキルをつけるべきか
5つの能力ですが、どのようにスキルをつけるかという前に、重要度や優先度を話しておきたいと思います。
転職直後に使う可能性が低いのは5.英語力です。
また、最も高いのは3.紙書き能力です。
一方、完璧ではないにせよ、基本は理解しておいた方が良いのは、1.論理的思考能力と2.コミュニケーション能力です。
4.プレゼン能力は、クラスによりますが、コンサルタント以上なら、ある程度できるようにしておいた方が良いですが、これは場数がものを言うので、転職前にやらなくても良いと思います。
ただし、5.英語力は、レベルによりますが、転職前に短期集中でにやっておいた方が良いです。
転職後はまとまった時間が取れない。一方で、英語はある程度の期間を使って集中してやらないと能力が上がらないためです。
ということで、まとめると
転職前に絶対にやっておいた方が良い
3.紙書き能力と5.英語力
転職前に基本的な考え方はやっておいた方が良い
1.論理的思考能力と2.コミュニケーション能力
必ずしも転職前にやらなくとも良い
4.プレゼン能力
それでは、ここからどのようにそれらのスキルをつけていくか見ていきましょう。
1.論理的思考(ロジカルシンキング)能力のスキルアップ方法
コンサルタントと言えばロジカルシンキング。と言うくらい有名ですよね。
それだけロジカルシンキングは、基本中の基本ということでもあります。
コンサルタントは複雑なことを論理的に整理したり、問題がある状況を最短ルートで解くために必要になる基本的なスキルです。
また、議事録とりやプレゼン資料作り(紙書き)などにも基本的な能力として必要です。
基本的には、誰にでもできる話なので、これはまずはいくつか本を読んで、サクッとキャッチアップしてみましょう。
オススメの本3冊だけ紹介します。
ロジカルシンキング
老舗中の老舗の本です。
コンサルタントになりたい人、なる人はみんな読んでいるのではないかというような本です。
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ただし、もし時間が取れない方は、この本はスキップしてもいいかなという気もします。より実践的な下の2つの本を読んでみてもらうのが良いです。
考える技術・書く技術
バーバラミント先生のこの本も、ロジカルシンキングに次ぐ有名書籍です。
ロジカルシンキングよりも実践的な内容になってきます。
この本は、3冊の中でも、絶対に読んでおいた方が良いです。
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イシューからはじめよ
こちらは、ロジカルシンキングから一歩入った本です。
会社に課題はたくさんあるが、本当に解決すべき課題は絞り込んで少ない。
課題をかたっぱしから解決していっても、時間の無駄で、本質的に解決すべき課題を見つけよ。
という趣旨です。こちらはどちらかというと、マネージャー以上においてプロジェクトをプラン、推進する上で本格的に参考になると思いますが、若いうちから鍛えておいた方が良いです。
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KUROKO
早くこの本に出会っていればよかったなと。。
最後に3つアドバイス
- ロジカルシンキングは、本を読んで頭でわかっても、実践でやろうとすると意外と最初はうまくいきません。
読んでみたら、実践して使ってみてください。仕事でもプライベートでも、世の中で起きている問題などで扱ってみると良いと思います。 - ロジカルシンキングの本は世の中にたくさん出ています。たくさん読んでもあまり意味はありません。何個かに絞って、しっかり理解した方が良いです。入社後慣れてからいくつか手を出した方が良いです。
- 入社後、実際にコンサルティングをやってみて、2〜3ヶ月したらまた読んでみてください。実際の経験とオーバーラップして、初回に読んだ時にはわからなかった発見が必ずあります。
2.コミュニケーション能力のスキルアップ方法
コミュニケーション能力は、ロジカルシンキングほど体系だっているわけではありません。
まずは、具体的にどのようなスキルをつけるべきでしょうか。
以下の3つをつける必要があると言われています。
- 相手の考えを正確に理解すること
- 自分の言いたいことを正確に伝えること
- 相手にアクションを促す表現ができること
まずは、相手の考えを理解すること。相手とはクライアントであり、上司であり、同僚であり、部下です。
そのためには、相手の立ち位置に立つこと。同時に、客観的な第3者の立ち位置に立つこと。
同時に、自分、相手、それを見る第3者の立ち位置で情報を処理する必要があります。
そして、自分の言いたい事を正確に伝えること。
まずは、言いたい事が何なのかを整理します。そして、それをどのように伝えたら正確に伝わるのかを考えます。この伝え方は一律の正解はありません。
相手の状況、相手と自分の関係などにも話し方はよります。
伝える際のストーリー、伝えることができる時間など様々な制約もあります。
この伝え方は、実は先に、伝えたい事を伝えて、その後どうしたいのか?を考えておく必要があります。
多くの場合は、相手にアクションをさせたいはずです。
そうなって欲しいなら、どのように伝えるのが良いのか。ここにフォーカスして伝えるようにしましょう。
こちらも、非常に参考になる本を1冊紹介します。
人を動かす
1930年代に書かれた本です。
世界中で読まれています。
実は私はマネージャーになってこの本を読みましたが、衝撃を受けました。
当時、コンサルタントとして絶対に必要だと思っていた議論や、相手を論破して前に進むことなどが是と考えていました。
この本から、それは絶対にやってはならない事だと書いてあり、また、その理屈がすんなりと心にハマったので、今までの自分の考えを大きく改めました。
この本も絶対に読んでおいた方が良い必読本です。
3.紙書きスキルアップの方法
紙書き、資料作りのスキルは、かなりベーシックです。
紙書きは、各コンサルティングファームで、紙の書き方はこうしろというマニュアルのようなものが代々伝わっていたりしますので、そこで基本的なことを身につけることができます。
公開できないので、そこに書かれているようなことを箇条書きにしたいと思います。
- いきなりパワーポイントを書き始めてはダメ。まず、ストーリー、目次、各スライドのメッセージ、最適な表現方法を決めてから書く
- 資料の目的を明確にする。誰に何を伝え、その後何を起こすのかを明確にしておく
- ストーリーの作り方は、まず結論を決め。そこに行き着くための背景、論点、ファクト、結果が流れるように表現する
- エグゼクティブサマリーで結論を語る
- 1スライド1メッセージ
- メッセージ、文言は必ず全部読んでみてチェック。見る人の立ち位置に立って、最適な言葉使いであるかを必ずチェックしブラッシュアップ
- 前後のスライドが必ず話が繋がっているようにする
- 常にサマリから詳細という流れ。詳細を話してサマリするという流れは絶対にNG
- プレゼンでどのように話すかを意識。口頭で補足することを紙に書く必要ない
- 文字のポイントは12pt以上。プレゼン資料なら20pt以上
- 色は統一。なるべく3色以上は使わない
- 箱の高さを合わせる。図形は多用せずにシンプルに
- 文字だけはNG。必ず絵で表現する
- イラストを使うのはベター。多用しすぎるのはNG
- 資料はスピーカーに依存する。スピーカーが最終的には判断
スライドシェアでは、コンサルティングファームのスライドもそこそこあるので、参考になると思います。
戦略コンサルファームの資料はあまり出てこないと思いますが、Big4などのコンサルファームの名前でググると結構出てくる感じです。
ただ、ちょっと中身を見た感じでは、レベルは高くないので、最低限このくらいはできるようにという風に認識してもらった方が良いです。実際にファームに入ったら、いろんな事例が見えるので、上司に良いスライドの事例をくださいと言ってもらうのがいいと思います。
スライドシェアはこちら。
KUROKO
最後に、紙書きは慣れもあるので、実際に自分で何かのテーマで作ってみるということをやってみるといいです。
4.プレゼンスキルアップの方法
プレゼン力は前述した通り、必ずしも入社前に求められる訳ではありません。
また、コンサルタントでもプレゼンを任せられる事はそれほどなかったりするので、若いうちはスキルが低くても問題ないです。
しかし、プレゼンスキルが高いと、チャンスが広がります。
PJの中で一目置かれますし、上司としては任せられると非常に楽なので。
特に交渉の際のプレゼンや、細かい話をして、それを付け加えるような時には、その場にいるTopがプレゼンするのではなく、ミドルにプレゼンさせて、プレゼン相手の様子を見て、被せて説明するというのが王道です。
何れにせよ、プレゼン力を上げるのは、場数を踏むのが一番です。
プレゼンの前には、プレゼン資料とともに10回は練習しましょう。イメージトレーニングでもいいです。
最初は暗記するくらいの勢いで行くのが良いです。
こんなプレゼンは絶対にNGというのを挙げます
資料に書いてあることを棒読みしない
資料に書いてあることを話す必要はありません。聞きながら読みますので。
大切なのは、書いていない事をちゃんと話す事です。
自分が伝えたいことだけを一方的に話さない
相手がどのような前提情報を持っているかを想像して、そこにどのような情報を載せたらどう処理するかをちゃんと想像して話す。
こういうと難しく聞こえますが、普段の会話の中でも無意識にやっている事だと思います。
そのために相手のことをしっかり理解して
プレゼンを暗記しない
プレゼンを暗記してしまうと、あ、これをここで言いたかった!とか、ちょっと間違って、頭が真っ白になったなどが起こりがちです。
練習を10回するのは大切ですが、ある程度流れを作っておいて、あとはしっかり固めないでおくのが良いです。
笑いを入れよう
これができれば、なぜかいいプレゼンだったなという印象になります。
センス。という部分が大きいところと思うかもしれませんが、意識的にトライしていくと、良いです。
5.英語力向上の方法
英語力については、実際に転職後にすぐに使うケースは少ないです。
もちろん、社内のメールや資料は英語ですが、Google翻訳も使えれば問題ないでしょう。
ただし、キャリアアップしていくと英語力は結構必要になってきます。
英語力は今までの4つのスキルにも増して、つけるのに時間がかかります。特に日々ちょっとづつやっていても、なかなか成果が出るまでに時間がかかります。
一方で短期集中型でやると一気にスキルが上がるので良いです。
一度上がれば、外資系コンサルファームであれば、いくらでも使う機会を自分で作れるので、情報摂取のスピードは上がります。
英語力が実際にどのくらい必要なのか、私のキャリアアップとともに英語がどのくらい必要とされ、どのようにスキルアップしていったのかについては、別記事「外資系コンサル会社への転職後、英語力はどのくらい必要?~現役コンサルタントが実態を解説」を読んでみてください。
サマリーとしてこちらにも書いておきます。
- 英会話教室はコスパが悪いのでやめておいた方がいい。(月賦が高く、内容が薄い)
- できれば2週間時間を作り短期留学。(例えば、サウスピーク)
- 時間が取れなければ、国内のサービス(例えば、One Month Program)
- 最低でも日々使えるアプリなど(例えば、スタディサプリビジネス英語の無料体験)
無料のスマホアプリでコツコツやるのもありなのですが、ここは自己投資をした方が良いです。
番外編:もし戦略コンサルを目指したいなら
これを読んでいる方の中で、もし戦略コンサルを目指したい。
あるいは、Big4の中でも経営コンサルや戦略部門を目指したい。という方。
さらには、Big4などのコンサルの中でも一目置かれたい。という方向けに。
本を読んだり、自分で色々頑張るのも1つ方法ですが、上述した通り、ほとんどのコンサルスキルは実際に入ってから実践してつけていくケースがほとんどです。
ですが、最近コンサルタントの養成所のようなサービスがあります。
正直やすい金額ではありませんが、特に戦略コンサルを目指す方なら、転職に合格できなければ全額返金という成果コミット型のサービスなので、活用しない手はないかなと思います。
気になる方は以下から詳細確認ください。
>>>>マッキンゼー・BCG・ベイン・アクセンチュア(戦略)への最短ルート
ただ、安くないです。料金は100万円かかります。(新卒の場合は50万円)
戦略コンサルなら最低でも500万、コンサルタントなら1000万弱程度の年収なので、それほど悪い金額ではないとは思います。
KUROKO
でも、ちょっと高く感じますよね。。
ただ、入ってからの事を考えると、入る前にしっかりやっておくのは本当に良いと思います。私の頃はこういうサービスが存在していなかったので、羨ましい限りです。本当に。。100万円とか結構安く感じます。
それに戦略ファームに落ちたら、全額返金なので、受かったらラッキーくらいでやってみるのも手ですね。
まとめ
それではまとめです。
外資系コンサルタントに必要な能力は以下の5つです。
- 論理的思考能力(ロジカルシンキング)
- コミュニケーション能力
- 紙書き能力
- プレゼン能力
- 英語力
この中で、転職前にどのような準備しておくべきか。
- 「3.紙書き能力」は、スライドシェアなどでコンサルファームの事例を見ましょう
- 「1.ロジカルシンキング」、「2.コミュニケーション能力」については本を読んで学びましょう
- 「5.英語力」は、短期で時間をとって集中的にスキルをつけましょう
- 「4.プレゼン能力」は入社後に重点的につければ良いですが、つけるコツは学んでおくべき
- 最後に総合的にスキルをつける方法として、コンサル養成所を使うのも1つの手
>>>>マッキンゼー・BCG・ベイン・アクセンチュア(戦略)への最短ルート
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コンサルファームへの転職の参考になりましたら幸いです。