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コンサル会社の「UP or OUT」でクビになってしまうの?現役コンサルタントが実態を語る

コンサルへの転職 UP or OUTの実態

こんにちは。kurokoです。

コンサルティングファームへ転職を考えている方からよく聞く不安のひとつに、「UP or OUT」ってどうなの?という話を聞きます。

「UP or OUT」の意味ご存知でしょうか?
昇進するか、外に出るか
という意味合いですが、ちょっと恐ろしい言葉でもありますよね。。

私も入社当初は、この恐ろしい言葉にビビってました。
OUTにならないぞ!という気持ちで常にいました。

ただ、実態はどうなのか?というのも入社当初はよくわかりません。
なかなか聞けませんし、同期同士でも、評価どうだった?とか、XXさんは9ヶ月でやめたのは評価が悪かったのではないかとか。噂が噂を呼ぶ状況です。

この件、面接などでの質問でもなかなか聞きにくかったりしますよね。
私も10年以上採用面接をしてきましたが、この質問をした人は一人もいませんでした。
でも、実は気になっている方、多いのではないでしょうか?

そんな「UP or OUT」についての実態を解説していきます。

この記事では、以下についてお話しします。

  • 「UP or OUT」はどのように決まるのか?
  • 「OUT」になったらどうなっちゃうのか?
  • 「OUT」にならないようにするためには?

コンサルティングファームへの転職を考えている方で、不安を感じている方はぜひ読んでみてください。2~3分で読めると思います。

「OUT」になったらどうなるのか?

まず、一番気になるるであろう「OUTになったらどうなっちゃうの?」という質問に回答します。

恐ろしい言葉ではありますが、OUT=クビではありません

少し安心しましたか?

特に、日本の企業においては労働者を守る観点から、解雇は非常にハードルが高く、能力が低いというだけでは解雇にするのは難しいのです。
これは、外資系のコンサルティングファームでも日本にある以上、同じ法律が適用されます。

ただし、解雇はありませんが、ほとんどの人が自主退職していきます。

では、OUTになった人はどうなるのか?

解雇にはならないといっても、OUTという言葉は重いですよね。
実際には戦力外通告に等しいです。

ですので、「OUT」になったら、今の組織でのコンサルタントとして仕事はないという意味です。

やっぱりクビなのか?というと、今の組織での仕事はない。のであって、他の組織では仕事がある可能性があります

どのコンサルティングファームにおいても組織は分かれています。
業界毎、会計や人事、テクノロジーやデジタルといったなどの専門領域毎、さらには、CSR活動や会社としてのバックオフィス(人事、経理など)もあります。

つまり、今所属している組織以外の別の仕事をしてください
という風になるわけです。

 

ただし、待遇面の変更もあり得ますし、仕事内容も変わります。
半分以上の方は、それに満足はせず、自主的に転職をしていく。という事が多いです。
ですので、解雇にはなりませんが、自主退職になるケースが多いのです。

 

「UP or OUT」はどのように決まるのか?

コンサル

それでは、「UP or OUT」は、いったいどのように決まるのでしょうか?

これは、年次の人事評価で決まります。

「OUT」になる人は少ないがゼロにはならない

どのくらいの人が「OUT」になるかというと、実は極めて少ないです。

全体の50%が無事に昇進(=UP)するとしたら、OUTになる人は5%程度。
そのような割合です。

実はこの割合ですが、変動します。
それは、業績やファームの成長に依存して、どのくらいを昇進させるか、どのくらいをOUTにするかというのを決めるためです。

別記事「コンサルへの転職は今がチャンスな理由。コンサルファームの人数は激増している」で話したように、現在は、コンサルティングファームは成長し続けており、人が圧倒的に足りない状況です。
ですので、昇進する割合も高いですし、OUTになる割合も低いです。

しかし、OUTになる人は必ず出さないとなりません。

この点はちょっと矛盾しており、年次評価を決める際にも悩むところなのですが、みんな頑張って、みんなそれなりのパフォーマンスを出していたとしても、絶対にOUTを出さないとならないのです。

この点は、コンサルティングファームのブランドや、社員の士気を高めるなど理由はありますが、かなり無情にもOUTになる方もいます。最終的には相対評価で決めるしかないためです。

 

コンサルタントの評価は意外と難しい

そのような評価ですが、意外と難しいです。難しくしている要因が3つあります。

コンサルティングはPJ制になっていますので、短ければ1ヶ月でも上司含めて変わる可能性があります。
1年間同じPJという事も、もちろんありますが、1年間で2~3のプロジェクトをこなしていくというのが通常です。

通常は、ある程度どのPJにいてもパフォーマンスは、ある程度一致していくことになります。

しかし、テーマが違ったり、クライアントや上司の相性もあり、1年間で様々なプロジェクトに関わり、パフォーマンスにばらつきがある中で評価するというのが、年次評価を難しくしている1つの要因です。

もう1つ難しくしている要因は、人数の増加です。

以前は、人数もそれほど多くなければ、評価者側が、あの人はこういう人だ。というのがよくわかっていました。
そして、同じクラス単位での比較も容易でした。

最後の1つは、多岐にわたるテーマです。

これまた以前は、様々な業界、クライアントに対して、比較的似たようなコンサルティングをするケースが多かったです。しかし現在は、ビジネス環境自体が大きく変わる状況にあるため、コンサルティングも非常に多岐に渡ってきています。
経営から、業務レベルというまではよかったのですが、テクノロジー、デジタル、マーケティング、セキュリティと幅が広がっています。

これらを横並びで評価は非常に難しいです。

 

 

「OUT」にならないようにするにはどうすれば良いのか?

コンサル

最後に、OUTにならないためのちょっとしたコツを紹介しておきます。

今回は3つ紹介します。

  • コンサルタントとしての基本的な能力をつけておく
  • クライアントとリレーションをしっかり作っておく
  • 上司の上の目線で考える

コンサルタントとして基本的な能力

あえて言うまでもない当たり前のことです。

特につけておいた方が良い能力を記載しておきます。

  • 論理的思考能力
  • コミュニケーション能力
  • プレゼン能力
  • 英語力

これらを平均的に持っているか、どこかが突出していればまず、OUTにはなりません。

例えば、英語力を徹底的に鍛えておく。英語が必要なPJは常にありますので、絶対に重宝されます。
そして、意外と英語をしっかりできるコンサルタントは少ないです。
英語については、別記事「外資系コンサル会社への転職後、英語力はどのくらい必要?」を参照ください。

また、論理的思考能力は、即効性のある対処はありません。継続的なトレーニングが必要です。
不安がある方は、本は読んでおくことをおすすめします。
参考となる本は様々ありますが、ケチらずに、ちょっとのお金と時間を投資した方が絶対に良いのですが、色々読みすぎても血肉にならず無駄です。
業界15年以上の私がおすすめする本は以下の2冊です。

また、入社前の方は入る前に読み、実際に1ヶ月程度コンサルティングをしてみてからもう一度読み返すと新たな発見が必ずあると思います。新しい本を読むよりも同じ本を2回読む方が良いです。

考える技術・書く技術

バーバラミント先生のこの本は、コンサル界のベストセラーです。
これは読んでおいた方がいいですし、入社後も読み返してみると実践で使えます。

イシューからはじめよ

こちらの本は一般的にはそこまで有名ではないかもしれません。
ですが、とあるコンサルファームのパートナーでも読んでハッとさせられるという本です。
論理的に考える事は、実はそれほど難しくないのですが、さらに着眼すべきポイントにより、パフォーマンスは大きく変わります。
私は若い頃、この本でいう、犬の道をずっといってたなという反省。また、今でも油断するとその道にいきがちです。
コンサルタント初心者から、10年選手でも読み返して発見があるそんな本です。

 

クライアントとリレーションをしっかり持つこと

クライアントとのリレーションを持つことは、コンサルタントの基本的な能力をつける事の10倍以上価値があります

クライアント商売ですので、どんなに優秀で、どんなにキレるコンサルタントもクライアントから嫌われては何の役にも立ちません。
クライアントから気に入られていること、XXさんに仕事をお願いしたいんだ。という事はコンサルタントとして非常に評価される点です。
それだけでなく、何よりも本当にうれしいです。

このリレーションを持てるようになれば、「OUT」とは無縁のコンサルライフが待っています。

 

しかし、これは簡単ではありません。
クライアントのイエスマンになってしまっても信頼されません
過剰なサービスをしても続きませんし、切り替えた時に期待値を大きく下げることになります。

クライアントとのリレーションは一朝一夕ではなく、クライアンの立ち位置にたち、価値ある情報提供、アイディア提供を積み重ね、特に困難な状況やピンチにおいて、しっかり寄り添っていくことで得られる信頼となります。

 

上司の上の目線で考える

最後に、評価をするのは上司だという事を忘れてはなりません。

コンサルティングファームの評価は定量的に数字で出るようなものではありません。
人が見て、人が判断するものなのです。

誤解を恐れずに言えば、心証も大きく影響します。
特に、誰か1名をOUTにしなければならない。という究極の選択を迫られる場合に、この心象は大きく影響します。

上司の心を掴むのも、また、クライアントと同様に一朝一夕ではいかず、信頼を積み上げていく必要があります。

 

この信頼を勝ち取るために、1つコツがあります。

上司もまた、一人のコンサルティングファームで働く人間であり、同じように不安を抱えています。
その上司は、その上を見て考えているはずです。

ですので、上司の上の人が何を考えているのかがわかれば、上司が求めるであろう事はよくわかると思います。
その考えに従って、先回りして動く事で、圧倒的な高評価を得ることができます。
上司にとっては、絶対に外すことのできないコンサルタントになるはずです。

 

今日の記事は以上になります。
コンサルティングファームへ転職したいと思っている方のお役に立てれば幸いです。