こんにちは、コンサルファームで15年以上社畜していますkurokoです
最近は1年があっという間に過ぎています。
ここ数年は、本当に毎月のように採用面接をしています。
今年も新卒の面談が始まりました。
コンサルティングファームの採用面談は、本当に自由で、人事からあまり言われることがありません。
シンプルに、「一緒に働きたい人を選んでください」ということです。
一緒に働きたい人を選ぶ
たかだか1時間に満たない面接の機会で。
これは面接官にとっても難しい事です。
必然的に、質問内容を工夫していろいろな事を見ることになります。
この記事では、気になるコンサルティングファームの採用面接官目線で、ちょっとだけどんな事を考えて面談しているのかを記事にしたいと思います。
ちなみに、私は戦略系コンサルではありませんので、戦略系コンサルを受けたい方は別の記事を当たってもらう方が良いかも知れません。
新卒面談でどんな人を採用するか
新卒で採用する方は、即戦力で調達するわけではないので、ポテンシャルをみます。
私の観点を紹介します。
ちなみに、ある程度近いとは思いますが、厳密には面接官によって違う事をあらかじめ認識しておいてください。
1.普通にコミュニケーションが成り立つ人
これが成り立たない人に最近会ったことはありません。
ただし、聞いた質問にすぐに答えない人はそこそこいます。
これは、あまり印象が良くないです。
例えば、
Q: 今志望動機はAでしたが、キャリアプランではBをやりたいと言いましたが、どちらが強いのですか?
A: 志望動機で説明したのは、これこれこうで、キャリアプランではこれこれこうで。。
といった展開です。
志望動機とキャリアプランで違う事言ってしまった。弁明しよう。と言う考えからこのようになるのですが、上記の回答では弁明しているようにしか聞こえず、しかも内容が頭に入ってきません。
Aが優先です。ですが中長期的な意味ではBを狙いたいと言う事です。というのも・・・
という風に質問に対して、まずは回答、結果を話すことができないと苦しいです。
3.成長を重視している方、粘り強く高い目標を達成したいと考えている方
ここをアピールするのは結構難しいです。
過去の経験や思いを語ってもらうのも大切なのですが、一番腑に落ちる説明は、「Why」をちゃんと説明できることです。
なぜ、自分は成長を重視するのか?
なぜ、自分は高い目標を達成したいのか?
一度、この問いに回答してみてください。
もし、そうでもなければ、コンサルに入らない方が人生は幸せかも知れませんよ!
3.情熱や熱意、やる気がある方
今後のキャリアや生きていく上での思いが何かあるか、強い気持ちが感じられるか。
必ずしもコンサルティングファームで実現できることときれいにマッチしている必要はありません。
逆にコンサルティングファームにきて、その熱意を実現するのです!
などとアピールしてもらう方が、インパクトがあります。
大学での多少の経験などよりも、長い社会人人生を歩んでいく上では、圧倒的にこの情熱が成長曲線を変えていきます。
4.自分なりに道無き道もなんとか進んで行けそうというポテンシャルを持っている方
ここも重要です。
コンサル志望の学生には、スマートな方も多いのですが、スマートだけではやっていけません。
今はなき道を作ったり、あの手この手を考えたり、失敗しても何度でも立ち上がるような根性が必要です。
特に難しいのは、自分の事業ではなく、クライアントの事業を扱うのです。
人ごとにしていたら
5.人の心を揺さぶれる方
最後に、学生が最もポテンシャルとして持っていて、かつその後なかなか伸ばせない力です。
私はこれを持っていれば、他の能力はほとんど関係なく採用を決めます。
コンサルは特にですが、コンサル以外でも、私たちは人と接してビジネスをしていかねばなりません。
人の心を揺さぶる力というは、とても大切ですし、希少性が高いです。
まとめ
面接において、ロジカルに話そうとしたり、コミュニケーション能力が高いという事をアピールされる方がいますが、もちろんそれも大切ですが、会話をしていればこれらは大抵わかります。ダイレクトにここを説明してもらわなくても良いです。
また、過度にロジカルに話すと、ある種、人間的なあたたかさが失われます。
コンサルタントとはいえ、人間ですので、そこのあたたかかさのようなものをきちんと持っている方であることの方が面接官の心を動かせると思います。
ちなみに、ここ数年人事から言われていることがあります。
「女性はなるべく採ってくださいね。」です。
全社的に女性の数を増やしていきたいんですよね。
女性比率が、採用担当人事のKPIになっているんですね。
次にこの5つの観点を踏まえて、どんな質問をしているのか掘り下げます。
新卒面談で聞く質問と質問の意図
面接時間も短いので、見極めるのは難しいです。
ここで質問力は結構大切です。
新卒面談で聞く質問は、実は人によって変えていますので一律同じような面談をすることはありません。
レジメなどからも聞くべきポイントなどはわかれます。
まずはオーソドックスな質問から
まずは、自己紹介や志望動機を聞きます。
志望動機レベルで変な事を言う人はまずいません。一方面白い事を言う人もいません。
キャリアプランと情熱
その次に聞くのはこの2点です。
- 10年〜20年スパンでのキャリアイメージや、やりたい事、どんな風に生きていきたいか。
- 今後生きていく上で、譲れないものは何か。
志望動機、キャリアプラン、譲れない大切なもの。この三つについて整合が取れていない人も出てきます。
ここについては、確認していきます。
そうしたいならコンサルじゃなくて、このような会社に行った方が早くない?とか。
志望動機と譲れないもの聞くとちょっと違くないとか?
たいていの方は、早く成長して、どこどこ業界やどこどこ領域を変えるような仕事をしたいとか、そのような話が多いです。
ここについては、情熱を持って話せるといいですね。
時々面白い人もいます。
共通しているのは、社会課題に目を向けている点、その社会課題を解決したい理由が今までの人生経験の中にあると言う方です。
ただ、ここら辺は、中身というよりも、どのようなコミュニケーションをする人なのかという点を重視しています。
そして、そのために有効なのは、ちょっと困るような質問をすることです。
いろいろ変えるのですが、ここ数年やってきて、有効な質問は以下の二つです。
当社が(応募者の名前)さんを採用する理由は何でしょうか?
この質問もちょっと難しいかも知れませんが、逆をいうと、自己アピールをしてもらいたいという事です。
ただし、それは、採用する会社側の理屈と整合したアピールになっていないとならないため、自分の良いところを単に言うよりもちょっと難しいですね。
KUROKO
ポイントは、「自分自身のアピールポイント」、「入りたい会社側のメリット」この二つを整合するストーリーができているか。という点が一発でわかります。
この質問に対して印象に残る回答は、ロジカルに綺麗な回答よりも、思いがのっている回答が良いです。
ある種、心構えができているのか、本気なのかと言うのがわかります。
最も印象に残った過去の回答は以下のようなものでした。
[say name=”A子” img=”https://kuroko-blog.net/wp-content/uploads/2019/09/口コミ–女性.jpg” from=”left”]
明確に誰を採用するかという事を短い時間で見極めるのは難しいと思います。
貴社にとって、私はすぐに戦力になるかというとそういうわけではないかも知れません。
しかし、私自身、明確に言えるのは、真剣です。自分自身のキャリアも大切ですが、私が成長する事、それが結果的に貴社の発展に資すると思います。
人が一番大切だという貴社にぴったりだと思います。
活躍できると思います!よろしくお願いします!
[/say]
面接官の私の迷いのようなものを見事に言い当てつつ、最後の活躍できると思います!というアピールが心を揺さぶりました。
当社が改善すべきポイントは何?
この質問は、ほとんどの学生は困ります。
志望する会社をいろいろ調べていますが、変えた方が良いところ、改善した方が良いところというのは考えている学生は少ないです。
やはり、多くの学生は採用プロセスで感じた事をあげます。
それはあまり面白くないですね。
実際に自分が働く場所になるのですから、リアリティを持って考えると本当はいろいろ出てきていいと思います。
この質問の回答で、どの程度会社の事を調べているのかなというのがわかりますし、クライアントから変な質問などをもらったときの対処などが透けて見えてきます。
この質問は、コンサルを行うそのものでもあります。
クライアント企業をどのように改善するのかというのを常に考えておく必要があります。
志望している会社をどのように見ているのか、分析しているのか。常にそこを見ておく必要があるのです。
今回の記事はここまでです。
参考になりましたら幸いです。
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