コンサルティングファームへ転職する際に避けては通れないもの。
面接
社会人になり、それなりに経験した人でも、なかなか緊張するのではないでしょうか。
それが相手はコンサルタントだとすると、それもひとしお。
特に絶対にコンサルタントになりたい!という方には、人生を賭けて受ける方もいるのかもしれません。
そんなコンサルティングファームへの転職面接を私は月に少なくとも1度はやっています。
この記事では、ちょっとだけその裏側を暴露してみたいと思います。
以下のことが気になる方には良い記事だと思います。2〜3分で読めると思います。
- コンサルティングファームの中途採用面談はどのようなものか。
- 中途採用に受かる人と落ちる人の違いは何か
- どうしても受かりたいなら
なお、免責ですが、転職の面談は会社や人によって大きく異なっています。
これは1つの事例にすぎず、実際にはいろんなパターンがあると思います。
(それも読んでいただければわかるとは思いますが、念のため)
コンサルの中途面接で受かる人と受からない人の違いは何か?
コンサルティングファームに受かる人と受からない人の違いは何か?
いきなり結論です。
それは運です。
極めてコンサルっぽくない回答・・・
ここ5年以上採用面談をしてきましたが、絶対に受かる人がいるわけではありません。
時の運なのです。
もちろん、華々しい経歴の持ち主やコンサル経験保持者は受かる可能性は高いのですが、そういう方は待遇の希望も高いです。
一方で、コンサル経験が全く無いにも関わらず、受かる方もいます。
ですが、ほぼ同じ経歴、同じスキル、同じキャラの方がそのあとに来たとしても受かるとは限りません。
なぜなら、そのような方はすでにいるからです。
(加えていうと追加で必要とはなっていない。)
そのような方を、その時点で必要としているのか、その時点では必要としていないか。
それにより判断されます。
これらは、コンサルの中途採用の仕組みに依存します。
コンサルの中途採用の仕組み
まず、コンサルの中途採用で面談を担当するのは、人事部ではありません。
現役のコンサルタントが担当します。
だいたい、2〜3回の面接で判断することになります。
そして、コンサルティングファームで採用する基準というのは、人事部で一律には設定されていません。
人事部から言われるのは、一緒に働きたいと思うか。ただそれだけです。
そして、採用後のプロジェクトのアサインの責任を持つことになります。
採用可否の判定基準
面接で面接官が思い浮かべるのは、具体的に今動かしている、あるいは動かそうとしているプロジェクトの中でどこにその人をアサインしようかという事です。
ですので、大きく判断のよりどころとなるのは、面接のその時点での需要です。
その需要にマッチしそうであれば、受かるし、マッチしなさそうであれば落ちてしまいます。
色々と理屈はあるのですが、これが最も大きな理由だと思います。
それだと何の対処もしようがないと思いますので、そうは言っても見ている視点を解説します。
見る視点は、実は対象者によって少し変わってきます。
コンサル出身者の場合
コンサル出身者は、ほとんど仕事のイメージはできていると思います。
ですので、どのように即戦力になりそうか。今までの経験とこういうことはできるよね?という確認をしていきます。
そして大切なのは、なぜこのファームに転職しようと思っているのか?
「給料を早くあげたいからです」という回答が一番しっくりきます。
コンサル出身者は、コンサル内で転職することは正直あまりメリットがありません。
コンサルタントは社内でも自分の名前を売って、同期や上司に能力を認識してもらえれば早く昇進することが可能です。
つまり、自分のことを全然知らない会社に行くよりも、1つの会社にいた方が、メリットが高いのです。
それなのに転職したいという理由は2つしかありません。
・今のファームでの自分の評価がイマイチ低いか、
・転職することで、より良い待遇を直ぐにゲットしたいか。
どちらかです。多くは前者です。後者は不確定要素が高い。
と言っても、評価がイマイチなのは、何も能力に依存しません。
環境や人間関係など色々あります。
ただ、それを正直に話してくれる人はなかなかいないものです。本来は正直に話してもらえる方が信頼があります。
ここの見極めは1時間でちゃんとできるものではありません。
コンサル出身で転職してきてもパフォームしない方は多々いらっしゃいます。
コンサル出身以外
コンサル出身者以外の場合は、もっと丁寧に確認をしていきます。
- なぜ、転職したいのか?
- なぜ、他のファームでは無く、うちなのか?
- 転職して何をしたいのか?
- コンサルの仕事ってどんな風にするかイメージがあるか?
- こんな仕事があったら、どういう風にやる?
- どのくらいのクラスで入るのがいいと思っているか?
こういった質問をしていきます。
ちなみに、1点目と2点目の質問は、だいたいみんな同じような回答をしてきます。
どこかのウェブサイトに模範回答が載っているのでしょうか?
3~6で、今ある需要に対して、供給可能な人材なのかを見極めていきます。
なお、質問は面接官によって違うと思います
どんな人が採用されるのか?
これも私の基準です。
まず、Willと情熱がある方。
- コンサルティングも楽な仕事ではありません。
- クライアント商売なので、辛いことや厳しいことも言われます。
- ちょっとやそっとでは折れない心が最も大切です。
- そのためには、やはり気持ちが大切です。意志と情熱。
次に、制限が少ない方。
- これが意味するのは、こういうことをやりたい!というWillと情熱が強すぎてそれ以外の仕事はやりたくないといった制約がある方。
- あるいは、専門性はこういう点なのでそれに関連する仕事だけをやりたいという方。
- クライアント商売なので、どのようなコンサルティングをやるかは時と場合によります。やりたい事だけをやりたいならそれなりに自分で仕事をとってそれなりに回せるのであれば別ですが、そのような方はパートナーとして入る方だけです。
- 選り好みせずにというと少しネガティブな印象ですが、何でも勉強になると考えて吸収していくモチベーションがないとやっていけません。
高い目標を持ち続け、常に成長を継続したい方
- これは今時点で高いスキルを持っていなくてもいいという意味でもあります。
- 高いスキルを持っているよりも、高い成長率を維持する方が結果的には勝ちます。
- 実績として無くても、意気込みとしてあるかどうかを見ています。
- 正直、実際にこれを維持し続けるのは至難の技ではあります。が、転職の時くらいは意気込みとして持っておいてほしい。
共通的に見て判断しているのは、このくらいです。
ここがイマイチだと落としています。
意外とここはあまり対策のしようがなく、素が出てくるポイントでもあります。
もちろんその時々で必要としている人材像に対して、経験やスキル、人柄やキャラなどは見ています。
面接でのコツは?
ちなみに、とっても良い形の面接は、上記のような話はクリアするとして、自分がやりたいとか経験があるという話が、ちょうど面接官が担当しているクライアントやプロジェクトにハマると話が盛り上がる形です。
多くのコンサルタントは話好きなので、自分の興味あるところになると面接が盛り上がります。
そうなると、一緒に仕事したら良さそうだな。という印象になり、受かる可能性はぐっと高くなります。
このように話を持っていくコツとしては、
面談のなるべく最初の方で、その人の名前を覚え、「XXさんが担当している業界は何か」、「どんなアジェンダがあるのか」というのをそれとなく聞き出しておき、タイミングを少し開けたのちに、興味ありそうな話をくり出していくという手法です。
(実はこれはコンサルタントが、コンサルをクライアント売るときにやっていることそのものなんです。ですので意図的にやられているな。とわかってもそれほど悪い印象ではありません。)
(参考)採用活動をする単位について
これは参考ですが採用活動の単位について説明します。
戦略ファームを除く大手外資系コンサルティング会社は数千人のコンサルタントがいます。
採用活動も中途においては、部署ごとに実施するケースが多いです。
実は、その部署で何人増やそうかなどと計画をしている事が多いです。
何が重要かというと、XXコンサル会社に入ろうと思っても、実際にはそのコンサル会社のXX部署として面談しているのです。
伝わりますでしょうか?
つまり、他の部署なら採用されたかもしれないのに、落ちてしまうというケースがありうるのです。
ですので、面接でコンサル会社のことを知っているかどうかは、さほど重要ではないのですが、自分がどこの部署にマッチするかは知っておいた方が良いです。
どうしても受かりたい方へのちょっとしたアドバイス
最初に、受かる人と受からない人の違いは運です。と申しました。
これは事実です。
コンサルティングファームとして、どのような人材を取りたいかは、日々刻々と変わってきます。受けてみないとわかりません。
ですが、その「運」の確率を上げることはできます。
コンサルティングファーム側の需要を知れば良いのです。
その需要にあっているのか、あっていないのか、あっている部署はどこなのか、今じゃないならいつなのか。を知れば良いのです。
そんなこと簡単にできないですよね?
そうですね。簡単じゃないですね。
ファームから、エージェントにもそんな話はしません。
(そういう話をするとそういう人しか紹介されなくなってしまうリスクもありますので)
ただ、手段はあります。
直接コンサルファームの人に聞くことです。そしてその方の紹介で面接を受けることです。
知り合いのつてを辿るのがベターですが、リンクドインなどで直接話してみるのもアリかも知れません。
ツイッターなどはあまりやっている人はいないと思いますが、そういうのに話しかけるのもありでしょう。
何れにしても、もし、どうしても入りたい。と思うのであれば、行動するでしょう。
行動しなければ、その程度の希望だったので、落ちても諦めがつくでしょう。
今日の記事はここまでです。
なんだか最後はちょっと厳しい言い方になってしまったのが少し気になりますが、転職活動されている方はぜひ頑張ってみてください!