こんにちは、kurokoです。
この数ヶ月に新型コロナの各国の状況は目まぐるしく変わってきました。
✅ 医療崩壊するか
✅ 経済保証するか
✅ ロックダウンするか
✅ ロックダウン解除はいつするか
医療崩壊と経済維持のバランスをとりながら、進めている状況です。
各国それぞれの拡散、収束、医療許容度の状況が異なることで、画一的な正解はない状況だと思います。
リーダーの判断がとても重要ですし、その判断にそって、国民が行動することも極めて重要な状況だと思います。
2020年4月下旬の現時点は、中国はロックダウンしましたが、収束に成功し、ロックダウンを解除し始めました。
一方で欧米はまさにロックダウンの真っ只中。増加はおさまりつつあり、ピークは超えたようにも見えます。
日本はまだ増加している状況。ただし、欧米に比べるとケタがまだ小さい状況です。
第一波と言われる波はおさまるようにも見えます。
しかし、ワクチンがどれくらいでできるかはわかりません。最低18ヶ月という話が濃厚、また集団免疫には7割程度の人が必要と言われており、今回のこの収束で終わるとは考えにくいです。
一方で、経済を考えると、このままロックダウンを18ヶ月し続けることが現実的なのか見えません。
人々は、少なくとも1ヶ月程度のロックダウンは想定し、政府の保証もその前提で考えています。
この記事では、「ロックダウン実施するか・しないか」と「医療崩壊に至る・至らない」という軸で、4象限で整理し、各国がどのように判断して、推移してきたのか、ワーストケースはどうなるのか考察しました。
4つのSTAGEを定義しましたが、このSTAGE毎に行動指針は大きく変わります。
どのような状況になればどうなるのか、想像をしていくことが今はとても大切だと思い、記事を書きました。
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コロナ対応の4つのステージ
コロナへの各国の対応は、4つのステージが定義できます。
STAGE1 コロナウィルスをコントロールできている状況
当初は、感染者が出ないように入国時のチェックや、限られた国への渡航規制、入国規制、
そして、感染者がでたら隔離し、都度クラスター分析を行い濃厚接触者を特定して、濃厚接触者も自粛を促します。
この状況では、ロックダウンもしてませんし、一部制限があったとしても、経済活動を維持することが出来ています。
また、医療崩壊も起きておらず、「コロナウィルスはコントロール配下にある」と言えるでしょう。
これを、STAGE1と定義します。
STAGE2 感染者の増加が止まらずロックダウン。経済影響が出ている。
一方で、各国が歩んできた道ですが、上記の状況は長くは続きません。
見えないクラスターが増えていき、拡散のスピードが上がっていくと、医療崩壊が近づいていきます。
ここで、ロックダウンをするという判断を迫られます。
一方で、経済はある程度犠牲にすることになります。
そこで、政府は打撃の大きい業種を中心に経済保証策を提示していきます。
ここで、短期的に感染者の増加が押さえ込めれば、ロックダウンを解除してもう一度STAGE1に戻ることができます。
2020年4月下旬の日本はここにいて、5月上旬にはSTAGE1に戻ることを目指しています。
ここで抑え込めずに、これより先に進むのは、非常に苦しい状況となります。
STAGE3 ロックダウンしたにもかかわらず医療崩壊。それなりの死者が発生。
ロックダウンはしたものの、感染者の増加が止まらず、医療のキャパシティを超えてしまうと、医療が必要な方に医療サービスが届かないという状況になります。
このフェーズでは、医療のキャパシティを短期的にどんどん増やすということを行うでしょう。
実際、中国の武漢では、数日で病院を建設しましたし、ニューヨークでは、医療船舶をニューヨークに派遣するなどの対策をとっています。
一方で、病院に行ける人数は限られ、在宅で自力で復帰する人も多くなるでしょう。
一部では命の選別の基準を定義も必要になっています。
医療崩壊しているのかどうかの厳密な定義はありませんが、中国、イタリア、アメリカでは現実的に非常に苦しい状況になった、なりつつある状況です。
日本においても、この状況に近々入る可能性があると言われています。
そして、大切なのは、ここでなんとか食い止めるという事です。
ここからは、経済停止の時間との勝負でもあります。
ここで、しっかりと食い止める。人との接触を極力しないようにするというのがとても大切です。
STAGE4 最悪のシナリオ。経済崩壊し始め、ロックダウンを解除。
このSTAGEに突入している国はありません。
この状況では、経済を助けるために、感染者が拡大したとしても、経済活動を再開するという判断になります。
少なくとも現時点ではそのような判断をするリアリティは全くありません。
しかし、
ロックダウンという経済自粛をしながら、これが長期間にわたると社会が疲弊します。
「長期間」の定義は定かではありません。
1ヶ月なのか、3ヶ月なのか、半年なのか、1年なのか。
半年間、今の状況を続ければ、多くの企業は諦めて倒産を選択することになるでしょう。
経済を理由とした自殺が増える状況も考えられます。
また、ロックダウンによる直接的に影響する業種(飲食業、旅行業、小売業、エンタメ業)から、
それら業種の取引先業種(テナントでお金をもらう不動産、仕入をする農業、関連するフリーランス)も倒産し始めます。
その結果として、消費者として経済活動できない人が多くなると、直接的でない業種にも影響が及びます。
この結果が意味するところは、全ての企業が共倒れしていく状態です。
政府の経済的な保証や支援、融資なども限界があります。
このような状況に至って、リーダーはどのような判断をするのか。
非常に難しい判断になります。
武漢は2.5か月でロックダウンを解除しました。
他の国でもこのくらいの期間は必要になる可能性は高いです。
重要なのは、このくらいの期間でしっかりと感染拡大を抑えるということです。
こんなデストピアのような世界には絶対に行ってはならない。
各国はどのようにステージを歩んできたか
冒頭紹介した4つのSTAGEを、各国がどのように歩んできたのかを整理して見ました。
中国
中国は最初に発覚し、感染拡大を許しましたが、ロックダウン(STAGE2)と、医療崩壊(STAGE3)を経験しましたが、
非常に厳しい統制を強いて、短期間でコントロール下に戻したと言えると思います。
韓国
韓国は最もうまくマネージ出来ている国の一つです。
ロックダウンもほぼ実施せずに感染拡大を抑え込めたと思います。
イタリア
イタリアは、中国や韓国を見ていたにも関わらず、対応が遅れ、非常に大きな損失を被っています。
中国武漢と同じようにロックダウン、医療崩壊の道を歩みましたが、すでに1か月以上のロックダウンをして、感染拡大はおさまり、もう少しでコントロール配下に戻っていくことが見えてきました。
アメリカ
アメリカは州によって状況は異なりますが、特に厳しい状況のニューヨークでは、イタリアとほぼ同じような道を歩んでいます。
こちらも幸い増加の傾向は落ち着いてきているので、この自粛を続ければ、STAGE1に戻ることでしょう。
日本
日本は非常にうまくマネージしてきた国と言えると思います。
長くSTAGE1でコントロール下に置いていましたが、4月上旬より、ロックダウンを実施を始めたという状況です。
この後、どのように進むのかは、注目です。他国と異なるのはロックダウンの強制力が少ないという問題がある一方、そもそも他国と比較して増加の傾向はケタが違います。
うまくやれば抑え込めるような可能性もありますし、悪いシナリオとしては、ロックダウンを辞める判断がつかなくなるというリスクもあると思います。
いつまで続くのか?これで終わるのか?
各国の状況はわかりました。
✅中国の武漢はロックダウンを解消しました。
✅イタリアも来月末くらいまでには、落ち着いていくでしょう。
✅アメリカもイタリアを追っていくでしょう
✅日本もどこかで落ち着いてくる可能性はあります。(楽観的に考えると)
しかし、もう少し長期で考えるとどうでしょうか?
これは、まだわかりません。
中国の武漢では、人口のどのくらいの人が抗体を持っているかの調査が始まっています。
その結果は待つところですが、ワクチンができるか、集団免疫(抗体を持つ人が7割)になるまでは、収束は起きないと言われています。
その前提では、第二波が再びやってくる可能性は高いです。
そうなった時に、どこまで自粛を我慢できるものか。
「またか」
「もう自粛していては経済が回らない」
「生きていけない」
このようなメンタルになることは想定されます。
しかしSTAGE4になることは大量の死者をうむことになります。
ここは真剣に考えなければならない。
☑️感染者数を増やすことを少なくしながら
☑️医療崩壊を避け
☑️ロックダウン・自粛も最小限におさえ
☑️徐々に抗体保持者を増やしていく
この絶妙なコントロールをする必要があります。
ここは、リーダーの判断と、国民みんなが整合を取れた動きをする必要があります。
せめて、上の図のような状況を繰り返すにとどめていく必要があります。
このことを考えると、1か月耐えて、元に戻ろう。
という考え方は捨てなくてはなりません。
もう少しいえば、早く諦めて、with covid-19でどのように生きていくかを考える方に、早く舵をきった人ほど有利になります。
変わらる事を遅れている場合ではありません。
楽観バイアスがかかった状態ではこの先危険です。
何としてでも、STAGE4に進むことは避けましょう。
それぞれの立ち位置で、ピボットし、この難題を乗り切っていければと思います。
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