こんにちは。まだまだ巣籠もり中のkurokoです。
コロナ禍で新たな取り組みが様々なされています。
これを読んでいただいている読者の皆さんも、様々新しいサービスを使っているのでは無いでしょうか。
このタイミングで様々取り組まれている事例をまとめ、
アフターコロナでも残るサービスはどのようなものかを考察してみました。
それはリアルのサービスをデジタルで置き換えるものではなく、
デジタルならではの価値があるサービスが残るという事が見えてきました。
本編で深掘りしていきます。
コロナ禍で行われた様々な取り組み
このコロナ禍では、様々な取り組みがなされています。
その中でも最新の事例を紹介していきたいと思います。
オンライン飲み会の隆盛:ZOOMからHouse Partyへ
Zoom飲み会が流行ったのは改めて語るまでもありません。
しかし、HousePartyというサービスアプリが流行っているのはまだあまり知られるところでは無いかと思います。
HousePartyは2016年にリリースしているにも関わらずユーザー数が伸びていませんでしたが、3月中旬から1ヶ月程度で5000万も増やしています。
どんなサービス?
Zoom飲み会のようにビデオ会話のサービスですが、Zoomと異なる点として、
ミニゲームがこの中でできるようになっています。
また、8人までという制約があり、オンライン飲み会に最適な人数制約がついている点が逆にちょうど良いと支持されています。
時間制約がないため、好きなだけ会話できます。この時間制約が無いことで、常時立ち上げて接続しておき、必要なとこきに会話するというオフラインで途切れがちな「ながら利用」ができる点も人気なようです。
➡️ HouseParty iOS App Store
➡️ HouseParty Google Play
ライゾマティクス オンラインコミュニケーション
こちらもオンラインコミュニケーションの新たな取り組みです。
ZOOM会議やマイクロソフトのTeamsなど便利なツールがあるので、在宅勤務などもそれほど問題なく過ごせていますが、リアルの時のように周辺に会話があって、それが聞こえてくるという事がなくなりました。
出勤している中で、自分は作業しているのだが、隣でチームメンバー同士がどんな会話をしているかというのは多少なりとも聞き耳を立ててやっていたものです。
しかし、これが完全在宅になると、そういった必要な雑音が届かなくなります。
コミュニケーションする場合は、Teamsなどのチャットで能動的に呼び出したり、ZOOM会議を設定してそこで話さないとならない。
ここにコミュニケーションロスが発生し、ストレスがたまる要因になっています。
こういった事は、ビジネスの世界だけでなく、様々なところで起きています。
ソーシャル・ディスタンシング・コミュニケーション・プラットフォーム
ライゾマティクスが実験的に行ったソーシャル・ディスタンシング・コミュニケーション・プラットフォームの取り組みは、これらのニーズをうまく解消するソリューションです。
具体的には、サービス上の距離により音の大きさが変わるというコミュニケーションプラットフォームです。
下の画像がわかりやすいです。
丸いアバターが人を表しており、ドラッグする事で、自分のアバターを動かす事ができます。
DJのようなブースが左右に二つあります。
このDJの近くに自分のアバターを移動すると音楽の音が大きくなります。
真ん中に3つほどアバターが集まっていると思います。
ここでは、少し遠目に音楽が聞こえながら3人で会話をしているように聞こえます。
この方法なら教室のような環境が実現できて、メインで話していながら、少し遠くの方の会話もちょっと聞こえるというバーチャル空間が実現できそうです。
これも、とても面白い取り組みだと思います。
➡️ Social Distancing Communication Platform
リモート協奏やリモート演劇
次に紹介したいのは、リモートでの作品作りです。
まず、劇団ノーミーツが4月上旬にアップした動画。
ZOOM飲み会をテーマにしたリモートでの演劇が数千回以上拡散されて話題になりました。
これに続けと様々な演劇が投稿されていますし、テレビでもこのような作り方が評価されて、コロナ禍での番組制作に応用されている状況です。
次に、音楽の領域でも色々とトライされています。
例えば、星野源さんが公開したうちで踊ろうの音に合わせて演奏や合唱をしている動画はたくさん作られています。
#家にいよう #うちで踊ろう というハッシュタグでも拡散され、社会貢献のメッセージ性としても感動を呼んでいます。
また、アーティストと共演するというスタイルが、「ファンが製作に参加」する事のメリットも注目されています。
ファンがコンテンツ拡散をしてくれる。
ファンとしては変えがたい体験となる。
ファンからさらにコアファンになる。
ただし、こういったコンテンツは流行性が高く、コロナの解消と共に少なくなっていく事が予想されます。
フォートナイトにトラヴィス・スコットが出現!
海外では、よりアグレッシブな取り組みがなされています。
中でもトラヴィス・スコットの事例は日本でも様々なニュースで報道されました。
世界的に人気なFortnite(フォートナイト)のゲーム空間に突如3DCGのトラヴィス・スコットが現れ、ライブイベントが開催されました。
この時同時接続数が1230万人を超えていたとのこと。
(同時接続数としては、デジタルゲームPFのSteamで2000万人が最大の記録ですが、複数タイトルの合計なので、一つのゲームタイトルでの1230万人がいかに大きいか。)
なお、この時トラヴィススコットはスポンサーになっているNIKEの靴を履いており、NIKEとしても絶大な広告効果があったと言われています。
フォートナイトのゲームプレイヤー数は3億人程度いると発表されています。
ユーザーベースが既にある場に異なるコンテンツを入れるという手法が発展していく可能性は高いと考えられます。
オンラインカンファレンス:Run The World Events
次に紹介するのは、ビジネスユース向けです。
ビジネスの世界ではよくある見本市や展示会、セミナーもこのコロナで止まってしまっています。
これらをデジタル上で実現できるサービスをワンストップで提供しているのが「Run The World Ebents」というアプリです。
このアプリでできる事は、本当にワンストップで全部です。
イベントを探し
チケットを購入し
セミナーやカンファレンス動画を見えれて
出典企業担当や参加者同士のネットワーク
懇親会としてのビデオチャット
イベント後のコミュニケーション
私自身が感じたのは、今までのリアルでわざわざ行って、名刺交換するよりも、バーチャルで興味あるものを聞き、リアルよりもハードルが少なく関係者とつながる事ができて体験としては、バーチャルの方が良いというように思いました。
➡️ Run The World Events: iOS App store
➡️ Run The World Events: Google Play
ライブコミュニティ参加: IRL Social Calendar
もう一つは、このコロナを機会として、リアルイベントの発見・予定管理を行っていたアプリから、デジタルライブコミュニティに転換し成功しているアプリです。
このIRLのアプリでできる事は、イベントの検索から参加、そして参加者とのコミュニケーションや、自分の趣向にあったイベントのレコメンデーションです。
2018年のサービスローンチ後なかなか振るわなかったランキングが、3月には米国のカテゴリランキングで1位を獲得しています。
音楽やフェスなどのリアルイベントが中心でしたが、コロナ以降はバーチャル空間で行われるライブコンサートやNetflix映画界など場所や距離の概念を超えてイベントに参加する事ができるようになりました。
これにより、場所や地域からのイベント検索から、興味や関心からのイベント検索に大きく変わってきています。
➡️ IRL Social Calendar: iOS App store
➡️ IRL Social Calendar: Google Play
いかがでしょうか?
日本への上陸が少し遅いですが、海外ではかなり活発に取り組まれています。
バーチャル渋谷
KDDIが中心となって推進する「バーチャル渋谷」の取り組みも注目されています。
3Dのバーチャル空間として再現された渋谷の街で芸能人やアニメコンテンツのイベントが開催されており、数千人がそこに集まってコンテンツを楽しんでいます。
こういった取り組みも巣篭もりのコロナ禍で注目が集まり、発展していく可能性が高いです。
ただし、コロナが収まってリアルの渋谷に行けるようになった時に残る価値と、
やっぱりリアルの方がいいよね。という価値の両面があると思います。
ここをしっかりと見極めていく事が重要です。
次の章ではその点をさらに深掘りしていきたいと思います。
アフターコロナへの示唆
コロナ禍でトライされてきたこれまでの事例から、考えられる事はなんでしょうか?
まず、多くの事例はコロナで新たに発明されたというよりは、コロナ前からあるテクノロジー、サービスが使われていたという点です。
- ZOOMやTeamsといったビデオ会議ツールはコロナのはるか前からありました。
- HousePartyも2016年からありました。
- リモート演技やリモート演奏は、企画こそ新しいですがZOOMとYoutubeという今まであったテクノロジーの組み合わせです。
- オンラインカンファレンスツール、バーチャル渋谷といった取り組みもコロナの巣篭もりで注目されましたが、コロナ前からあったサービスです。
このように、コロナにより様々な制約が発生した事で、「ユーザーが新しい事を試す」が加速しています。
今までテクノロジーとしては実現できていたのにも関わらず、ユーザーがそれを試そうとしなかった。
ほとんどのユーザーは、それまで心地よいやり方をし続け、よくわからない新しいモノの体験をしようとはしないのです。最初の体験のハードルが非常に高いと言えます。
振り返ると、東日本大震災前までは、ツイッターはテクノロジーとしてありました。
しかし、日本人のユーザー数はそれほど多くはなかった。
東日本大震災で、携帯電話網でのコミュニケーションがほとんど落ちていったのに対して、ネットをベースとしたツイッターは落ちませんでした。
これによりユーザー数が一気にふえ、近くの人がやっているなら私も使おうという気持ちで、アクティブユーザー数が一気に増えました。
今回のコロナにおいても、それが何か、はまだわかりませんが、この傾向は強いです。
ZOOMについては定着していく事は間違いないと言われています。
他にも、まだ注目されていないサービスが定着していく可能性は十分にあります。
示唆の一つ目は
コロナにより、ユーザーがそれまであったテクノロジーの価値を認識し、その後爆発的に広がる
それでは、どのようなテクノロジーが爆発的に広がる可能性があるのか深掘りしていきましょう。
リアルの置き換えは流行らないバーチャルの価値があって流行る
例えば、コロナで音楽ライブなどができなくなっています。
これをデジタルでリアルライブをやればいい!というアイディアがあります。
テクノロジーは既にあります。
しかし、なかなか行われません。盛り上がりません。
これはリアルのライブコンサートなどでは、その場の熱狂が大切だからです。
ファンは、ライブコンサートのコンテンツを見に行っているのではなく、その場の雰囲気を体験しに行っているのです。
短絡的に、リアルライブをデジタルで配信すればいいかというとそうでは無い事がわかると思います。
一方で、ライゾマティクスのようなデジタル空間での体験や、
Run the world eventsのデジタル空間でのバーチャルイベント開催では
リアルのそれとはまた違った価値を提供しています。
リアルではわざわざ人に会い、前置きをしたり、名刺交換したりして繋がるハードルが高かったです。
しかしバーチャルでは、会話やコミュニケーションは容易に発信し、受け取る人が多くなります。
これにより、出会う機会はリアルよりも広くなります。
例えば、今まで好きなアーティストのライブに行くには、周りの友人が多かったと思います。
しかし、デジタルの世界で好きなアーティストのファンとして繋がる事ができれば、リアルのライブもデジタルのライブでも、周りの友人では無いが、同じアーティストのファンとして一緒にいく事ができます。
このように、デジタルでは、物理的距離に関係なく、興味・関心で繋がる事が容易になるという特徴があります。このデジタルの強みを打ち出すサービスが、アフターコロナにおいても、リアルの価値よりも高く、残るサービスとなり得ます。
示唆の一つ目は
リアルに無いデジタルの価値が大切。物理的距離を超えた興味・関心でつながる人間関係を加速できるサービスは生き残る
アフターコロナに向けた示唆:まとめ
まとめましょう。
コロナにより、生活者、ユーザーは今までの生活に制限がかかっている状況。
この制約を解放するために、もともとあったテクノロジーが、強制的に使ってもらえる機会にある。
このチャンスを最大限に生かして、使ってもらう、使ってみる。を押し進めるべき。
アフターコロナに残るのは、リアルを単純にデジタルに置き換えたサービスではない。
(リアルが戻れば、デジタルのサービスが廃れる)
リアルを補完する形で、デジタルならではの価値を持つものが残る。
具体的には、物理的な距離を超えた興味・関心でつながる人間の関係をつなぐ事ができるサービスは生き残る。
いかがでしたでしょうか?
皆さんの参考になりましたら幸いです。
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