こんにちは。建築を愛してやまないkurokoです。
若手建築家で中川エリカさん。ご存知でしょうか?
1983年生まれとまだ30代で活躍する若手建築家です。
2014年に独立され、今回ギャラリー間で個展をされていたので見てきました。
展示会を見て感じたのは、
中川エリカ氏の建築へのアプローチは、良い意味でトラディショナルなオールドスタイルであること。そして外との繋がりや周りの環境を非常に意識されているように感じました。
トラディショナルなスタイルというのがどういうことかというと、
模型がすごいです。比較的スケールの大きな模型を制作され、家具などに至るまで細かく作られています。
最近では、3DCADでコンピューター上でデザインなどを完結させることも珍しくないにもかかわらずです。
作品を見ていくと、そこで人が生活する姿が想像しやすい。
よく建築作品は、とてもキレイな写真、悪く言えば生活感の無い殺風景な作品が展示されることがありますが、中川さんの作品は、なぜか生活感が感じられます。
そして、全ての作品に共通するのが外部と内部との関係性です。
外との繋がりをとても大切にされているように感じました。
皆様はどう感じられるでしょうか?
ぜひ中川エリカ氏の作品を観て感じとってみていただきたいと思います。
建築家 中川エリカ氏とは?
中川エリカ氏は1983年生まれの若手建築家です。
経歴
横浜国立大学を卒業後、東京藝塾大学大学院を修了、
その後、オンデザインに7年ほど勤務され、
2014年に独立されて設計事務所を設立されています。
受賞歴
20代の頃から数々の賞に受賞されています。
40代でも若手と言われる建築業界では異例の受賞を多数していると言えるかもしれません。
2018年 U-35ゴールドメダル(塔とオノマトペ)
2018年 第34回吉岡賞(桃山ハウス)
2017年 住宅建築賞2017金賞(桃山ハウス)
2016年 第15回ヴェネツィアビエンナーレ国際建築展 国別部門 特別表彰
2015年 住まいの環境デザインアワード2016 準グランプリ受賞(コーポラティブガーデン)
2015年 ベストデビュタント賞
2013年 横浜・人・まち デザイン賞(ヨコハマアパートメント)
2012年 住まいの環境デザインアワード2012 住環境デザイン優秀賞(横浜アパートメント)
2012年 日本建築学会作品選集(ヨコハマアパートメント)
2012年 JIA新人賞
2011年 日事連建築賞 小規模建築部門 優秀賞(ヨコハマアパートメント)
出典:http://erikanakagawa.com/enweb.profile.html
建築家 中川エリカ氏の手がけたPJ
それでは中川エリカ氏が手がけられたプロジェクトを展示作品中心に見ていきましょう!
桃山ハウス
熱海市の桃山町の斜面にたつ桃山ハウス
1/20模型。結構大きな模型を作られるのが中川氏の特徴
大きな模型なので、細部も作り込まれています!
コンセプト模型。(かっこいい)
周辺も含めたmap
実物はこんな感じです。
ライゾマティクス オフィス
2015年施工
あのライゾマティくすのオフィスは中川氏んが設計していたんですね!
1/30模型。設計初期のスタディに使われていたとのこと。
屋外には木で作られた模型が展示されていました
実物のオフィスのレポート記事がありました。(結構雑然としている感じです)
➡️ ライゾマティクス オフィス訪問レポ
ライゾマティクスの最新の展示会をレポートしました。
SKIP ROOF
まるで屋根がないような家。
開放的な内部、街に面した半外部などのコンセプトで作られています。
緑が近くにあるというのも特徴。
1/20模型。
1/50敷地模型。真ん中にあるのが設計されているSKIP ROOF。
周辺の建物も結構作り込まれている印象。スタディを細かくされている。
スケッチ。色使いがキレイ。
鮫洲のヴィラ
柱と屋根の模型からは物凄い力強さが感じられる建物
この存在感のある柱は桃山邸も彷彿とさせます。
スケッチからはこの空間が外部のようでもあり、くつろげる内部の機能も持ち合わせているような印象
こうして模型をみると、どこか仏教寺院の建物のようにも見える
女性建築家とは思えないような力強さを感じますね。
高柳邸
家具などを含めかなり詳細に作り込まれている印象。
断面図。
人の絵の感じが好き。
素材などのスタディに使ったと思われる模型。
うーん実物が見たい!
庭基礎の家々
一つの世帯だった土地をつたつに分けて二世帯住宅にする計画。
ただし、全く別のではなく緩やかな繋がるように作られている。
ここでも外に開放された内部がうまく設計されているように感じた。
ディテール。
丘端の家
1/15模型。でかい!!
細部まで作られた構造体の模型。ディテールまで細かく考え込まれている様子がわかります。
この作品はいくつかあったのですが、一枚しか撮れていませんでした。
A Study of Neighborhood in Tokyo
非常に大きな模型。
ガスメーターやエアコンの室外機まで作り込まれており、圧巻。
中を細かくみると、同じ区画の部屋であっても、一部屋一部屋の暮らしの違いなどをスタディされている。
ToToギャラリー間 展示
なんと今回の展示会の配置模型も展示されていました。
今いる空間からこの空間を設計された模型をみるのはなんともワクワクします!
外部の部分もしっかりと!
実際にはこんな感じ
南米チリでの都市スタディ
コロナ禍の2020年3月に2週間弱かけて南米チリの6都市で野外什器のスタディの結果
膨大な写真といくつか作り込まれた模型。
たくさんある中で好きなのはこれ。
既製品の水道などではなく、かと言って完全地元民の作業でもなく、それなりにしっかりとコンクリートとレンガで作られたアート作品のよう。
チリの方は日々の生活にアートのセンスが散りばめられているのかもしれない。
こちらもちょっと面白い!
中川エリカさんの作品は今回初めて鑑賞させていただきましたが、この建築家は恐ろしくディテールを模型で作り込んでいます。
昨今なんでも3DCADやCGなどでデザインされがちですが、リアルな手触り感やそこで人がどう思うのか、感じるのかと言ったことを大切にされている建築家なのではないかと想像しました。
さらに知りたい方はこちらの書籍もおすすめです。
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今回の記事は以上です。最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
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