こんにちは。アート大好きkurokoです。
今回はライゾマティクスについて記事にしました。
ライゾマティクスはテクノロジーを駆使したアーティスト集団です。
パフュームのライブ演出をしていることで一躍有名になったのでご存知の方も多いと思います。
また、真鍋大度氏は特にクリエイターとしてメディアに取り上げられる事も多数あります。
2021年、東京都現代美術館で彼らの最新の作品の展示会が行われました。
「rhizomatiks_multiplex」という題名です。
コロナ禍で緊急事態宣言で美術館もかなり限定的に開館しているタイミングを狙ってみてきましたので、その内容を中心に深掘りしていきます。
それでは、早速みていきましょう!
rhizomatiks(ライゾマティクス)はどんな集団?
まずライゾマティクスとはどのような集団なのでしょうか?
ライゾマティクスといえば音楽アーティストの「パフューム」のライブ演出などが最も有名なのではないでしょうか。
最近ではネットフリックスでパフュームの映画作品を制作しています。
➡️ 「Reframe THEATER EXPERIENCE with you」Youtubeでの宣伝動画
このようにテクノロジーを駆使しながらアート作品を作っているような集団です。
「チームラボ」という組織もテクノロジーとアートで大変有名です。
お絵かき水族館など行かれた方も多いのではないでしょうか?
イメージとしては、とても似ている組織だと思います。
実際に作り出している作品は人によっては全然違うとおっしゃる方も多いですが。
今回の展覧会のパンフレットには以下のように紹介が掲載されていました。
ライゾマティクスは、技術と表現の新しい可能性を探求し、研究開発要素の強い実験的なプロジェクトを中心に、ハード・ソフトの開発からオペレーションまで、プロジェクトにおける全ての工程に責任を持ち、人とテクノロジーの関係について研究しながらR&Dプロジェクトや作品制作を行う。
また、外部のアーティストや研究者・科学者などとのコラボレーションワークを通じ、カッティングエッジな表現作品、研究を世の中に発表している。
以前、若手建築家の中川えりか氏の展覧会を紹介しましたが、
ライゾマティクスのオフィスを設計したのは建築家中川えりかさんです。
ライゾマティクスのオフィスは下の記事を参照ください。
➡️ 建築家 中川エリカ の建築展に行ってきた。注目の若手建築家
それではライゾマティクスの展示会を深掘りしていきましょう。
なお、今回の展覧会本も発売されています。
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「multiplex」 Rhizomatiks × ELEVENPLAY
今回のメインの作品がこちらです。
どんな作品なのか少し写真で見てみてください。
(展覧会では動画は撮る事ができませんが、一部を除いて静止画の写真を撮るのはOKです)
動画の作品ではあるのですが、演技している人に重ねる形でCGが投影されています。
さらに良くみていくと、動く箱は演者と共にリアルに存在しています。
その場で投影されている光と、映像に加工して投影されている光の二種類がある事がわかってきます。
そして、こちらの展示会が特徴的なのは、隣の部屋に実際に撮影に使った設備が用意されているのです。
四つの箱が設置されています。
そして、カウントダウンが終わると、隣の部屋の映像と共に実際に箱が動き出します。
縁者はいませんが、プロジェクターから床と壁には映像が投影されます。
また、無人のカメラが予めプログラムしているのでしょう自動で動き回っています。
この作品を見るだけでも音もしっかり出ていてかなり圧巻です。
写真が撮れなかったのですが、映像には観客として隣の部屋でみている私たちが映り込んでいました。
予め撮影していた縁者などの映像と、リアルタイムでみている私たち観客の映像をその場で合成して映像を作り出している事がわかってきます。
こちらは頭上にあったカメラなどです。
かなりの数の機器が設置されていて、この作品が作られている事のだと感じました。
作品名が「multiplex」とあるように、
幾重にも重ね合わせたこの作品に驚くばかりです。
rhizomatiks R&D
この展示は、R&D(リサーチ&デベロップメント)という名前で、様々な実験的な作品が展示されています。
Trojan Horse(トロイの木馬)
この作品は、ネット上に溢れるフェイクニュースの問題や、データを使ってターゲティングされる広告などの問題をテーマにしています。
実際に様々なウェブサイトを訪れた際にデータが裏でどのようにやりとりされるかが可視化されています。
Daito Manabe ”morphecore – prototype”
真鍋大度さんのCGキャラクターが変な踊りを踊っています。
脳からの情報を読み取りCG空間上でダンスを生成するという試みとのこと。
若干動きが気持ち悪いですが、精度が高くなってくるとすごいことになりそうです!
R&D
中庭に配置されているロボット。こちらレーザーで衛星の場所を指し示すことで可視化するそうです。
光るマスク?
こちらは光で目で何を話しているかを判別する事ができるようになるとのこと。
rhizomatiks 過去のデバイス・機器
ライゾマティクスが過去のプロジェクトやパフォーマンスで使われたデバイスも展示されていました。
これはプログラミングでデザインされた刺繍のTシャツ。センサー内蔵のシューズ。
2017年のechoプロジェクトで使われた背中のコントローラから布に仕込まれた敗戦を通して振動子を制御する衣装。
こちらは2018年「discrete figures」のプロジェクトに使われたメッシュのスクリーン。
右上の光る剣がPerfumeのワールドツアー「GAME」のパフォーマンスで使われたライトサーベル。
スターウォーズを彷彿させますね。
今回写真撮影は禁止されていましたが、上記の展示の他にライゾマティクスが今まで行ってきた数々の実験の動画も公開されていました。
複数のドローンを使って機械学習をする事で安全な距離を保ちながら、音楽に合わせて生きているように動くことを実現させていたり、
人間の顔にコードを貼り付けて、微弱な電流を流すことで表情をコントロールしたり(ちょっと言葉で書くと怖いですね)
これら紹介されている動画は、真鍋大度氏のYoutubeでも近い映像が公開されています。
Particles 2021
今回の展示会の二つ目の大規模展示がこのParticlesです。
上記は始まる前の様子。
こんな感じの展示です。
この作品は、真っ暗な中で、音に合わせてピカピカ点滅するという展示です。
正直、最初はよくわかりません。
どうもボールのようなものが動いて、ピカピカ光っています。
大きな音もしています。
しばらくすると、ボールはレールの上を動いている事がわかってきます。
光り方も音に合わせてへんかしています。
最初は、耳をつんざくような不快な音と共にピカッと光り、
そのうち、電車がブレーキをかける時に出るようなレールに接触する際の金属音と共にボールが光ります。
またしばらくすると花火のような音と共に綺麗に光ったりします。
パターンが様々変化し、それと共に光り方もどんどん変化します。
じーっとみているだけで、なんとも不思議な感じです。
よくみていくと、ボールが八の字形に上から下に転がっている構造です。
一番下までいくと奥の方にボールを上にあげるエレベーターみたいなものがありました。
最後の方は、とても美しいです。
Epilogue(エピローグ)
最後の展示は今までにないものでした。
モニターが並んでいますが、今回の展示物をデータで可視化したようなものです。
どういうことかというと、
この下の絵は、リアルタイムで鑑賞している人を分析しています。
一人ひとりにIDがふられていて、どんな動きをしていたかをモニタリングされていたことをその時に気づくのです。
そして鑑賞者の動線もデータとして追っているようです。
こちらは、multiplexの展示を制御しているシステム
こちらも5つの箱と無人カメラを制御しているシステムのようです。
こちらはどうやらParticlesを制御しているシステムのようですね。
展示会そのものもR&Dのデータとして集めて分析してしまうというアプローチだったのですね!!
展示会を見逃した方は、こちらのライゾマティクスの展覧会本を見てみるのもいいと思います。
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今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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