こんにちは。未来大好きkurokoです。
未来予測本は特に最近たくさん出版されていますが、その中でも「2030年 すべてが加速する時代に備えよ」は様々なテクノロジーがコンバージェンス(融合)して、指数関数的に成長していくと紹介されています。
いろいろ頭の中にバラバラにあることがとても綺麗に整理されており、おすすめです。
今回のブログでは、この本の内容のさわりと、そこからの考察をまとめてみたいと思います。
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特に最近では、AIが今ある職業を奪う。と言った悲観的な未来予測がたくさん出てきていますが、
本内容全般的には、明るい未来が書かれていますし、
わかりにくいテクノロジーの仕組みなどに留まるのではなく、とっても読みやすく、事例なども出ており、いわゆる文系の方でも理解しやすい形になっているのでおすすめです。
この本の作者は、アメリカ人のピーター・ディアマンデスとスティーブン・コトラーという方です。
ディアマンデス氏は寿命関連のスタートアップ企業運営(なんと22個目のスタートアップとのこと。。)をしながらシンギュラリティ大学などの団体のリードも兼務しています。
コトラー氏はジャーナリストとして活躍しながら、加速的に変化する中での心理学の研究とトレーニングを中心とする団体を創設もしています。
日本ではそれほど有名ではない二人ですが、GAFAをはじめとするネット企業がどのように加速的に成長していったのかなどはアメリカでは研究され尽くしており、そういった研究から今後テクノロジーがどのように発展するのかという話が展開されています。
それでは深掘りしていきましょう。
2030年は近いが未来は予測しにくい
2030年と言ったらもう10年切っているわけで、それほど遠い未来ではありません。
しかし、この本では驚くような未来が語られています。
逆に10年前を振り返ると、ちょうど東日本大震災が起きた時で、ついこないだのように思われる方も多いのではないでしょうか。
- 当時はまだTwitterやLINEは使う方も少なく、そもそもスマホよりもまだガラケーが主流でした。
- ガラケーのゲームは出ていましたが、スマホゲームやARなどもその後一気に広がりました。
- amazonで本を買ったことはあったとしても楽天やZOZOなどのECで日常に購入する人はまだかなり少数派。詐欺じゃないかと恐れていた方もまだまだ多かったです。
- Youtubeは既にありましたが海賊版を見るか、あまり面白くないコンテンツが載っているものだと思われていました。
- AIRB&Bやネットフリックスも日本には上陸前、ドローンや自動運転という話もほぼありませんでした。
- AIの大きなブレイクスルーがあったのが2012年。
- ビットコインは2008年からありましたが全く認知されていませんでした。
これらの変化で生活も変わりましたし、職業も大きく変わりつつあります。
もはや、これらが無い時代がどんなだったかを想像するのも難しくなりつつあります。
ビジネスでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれ、プログラミングの技術やAIなどの知識がある人は職に全く困らない一方で、ついていけない方はお荷物と思われるし、仕事を探すのに苦労します。
この本によれは、進化は加速しており、2030年は前の10年よりも驚くほど早く変わっていくとのこと。
さて、どんな世界になるのでしょうか?
人間が未来を予測しにくい理由
この本では2030年がどうなっているかが、主題ですが、最初に人間が未来を予測することが難しいという話から始まっています。
本書では詳しく語られていますが、それを読んだ理解としては、進化は正比例して起こっているのではなく、指数関数的に起こっていることが大きな原因の一つと捉えました。
要は、「1年経ったら1進み、10年経ったら10進む」のではなく、
1年経ったら1進み、2年経ったら2進む。ここまでは一緒ですが、3年経ったら4進む(2 x 2)、4年経ったら8進む。
10年後には、516になります。
(本書ではエクスポネンシャルと表現されています)
そうするともはや予想がつかないことになると。
考えてみると、amazonもgoogleもGAFAと言われる企業はそのように進歩しています。
ムーアの法則というのが文章の中にも出てきますが、半導体の進歩はまさにそれを実際に実現しています。
予測がつかないけれども2030年はどうなるのか?
少しパラドキシカルに感じますが、本書は果敢に未来を語っています。
エクスポネンシャル・テクノロジー
そして、過去10年はインターネットとスマホ中心の発展でしたが、今後はさらに注目すべきテクノロジーが5つあり、これらが単独ではなく、複合的に(コンバージェンスと表現されています)発展していくことで、加速的に発展するとされています。
ここでは、テクノロジーの中身には触れませんが、どんなものが紹介されているか記載しておきます。
- VR(仮想現実)・AR(拡張現実)
- 3Dプリンティング
- ブロックチェーン
- ナノテクノロジー
- バイオテクノロジー
- ゲノムテクノロジー
2030年 業界別にどのようになっているのか?
それではどのような世界がやってくるのでしょうか?
本書では、業界別に具体的な事例が語られています。
詳細は本書を読んでみていただければと思いますが、ここでは概要と考察をしていきます。
買い物は自動化とパーソナライズが大きく進む
店舗から店員がいなくなるとはよく言われている未来です。
さらにそこからテクノロジーが進むと、
買う側の客としては、欲しいと思ったら自動運転車に乗りながら、自動で商品を探してくれ店舗に連れて行ってくれる、
あるいは、自動で商品が届きます。
自分の体のサイズや過去に買ったもの、趣向などのデータは蓄積され、広告ではなく最適なレコメンドがされるようになります。
3Dプリンターなどをはじめとするテクノロジーの進歩により、既製服のようなものから個人のサイズに合わせたテーラーメイドが低価格で実現できるようになり、大量消費から少量多品種生産がより進みます。
買い物の未来はより便利になっていく事は間違いないと思いますし、同意です。
ただし、私の考えとしては、買い物をする中で、偶然の出会いや「衝動買い」と言った事も実は重要なのではないかと思います。
家族でショッピングセンターに行ったり、今までの購買履歴では出会わないような商品を発見したり。
効率性だけではない、無駄や非効率という事自体が見直される可能性もあるのではないかと感じます。
(もちろんそういう演出すらAIがしてくれる可能性もあるかもしれません)
広告は消滅するかもしれない
広告は一時的にはディープフェイクや個人データの扱いなどで問題になっていく可能性が示唆されています。
一方で、広大なバーチャル空間上での商品購入やエンタメなどが発達すると同時に新たな広告スペースもたくさん生まれる。
さらには、「ジャービス」という例が出てくるか、個人向けのアドバイスをしてくれるAIが用意され、個人の趣向を加味した商品が出たらおすすめしてくれ、ゲノムのレベルまで把握して買うべきものと買わない方が良いもののレコメンドをしてくれる。
さらにその先には、商品を選び買うという行動すら不要になる世界が来るかもしれないと語られる。
私たちが「ほしい」と思う事を高い確率で予測し、思う前に用意してくれているという世界になっていくと続きます。
広告自体はとても邪魔なものですので、不要だと思います。
しかし、広告の役目は商品の存在を伝えたり、企業やブランドの世界観を伝えるのには必要なコミュニケーションだと思います。
確かに従来型の広告という形からは大きく変わる可能性もありますし、
広告というのは、危険な言葉でいえば「刷り込み」や「洗脳」などの要素も含む非常にセンシティブなものです。
本書を読むとディープフェイクや個人情報が丸裸にされ層など不安も感じました。
これらの折り合いをつけながら広告は進歩していくものであり、個人情報の流出よりも、提供することでの便利さが優ってきた際に指数関数的な変革の嵐はやってくるような気がします。
エンターテインメントはさらに面白くたくさん!
ネットフリックスのような会社はさらに投資をして次々と素晴らしいコンテンツを作り出していく。
Youtubeなどのユーザー投稿型もコンテンツのクオリティが上がり、スーパークリエイターがどんどん生まれてくる。
さらにその先にはAIクリエイターの可能性もあると語られている。
既にホラー映画など、人が怖いと思うような演出はAIの実験されている。クリエイティブは難しいという話もあるが今後AIの活用がどんどんできるようになるという可能性があると感じる。
また表現の領域も、VRやホログラムなども現実的になるだろうと予測する。
さらにARの巨大市場、コンタクトレンズのようなデバイスで実社会に虚像も投影できるようになる。
さらにその先には、脳と直接連携させたデバイスの登場までもが既に多数実験されている事を踏まえて遠くない未来に実現されると予想されている。
個人的には随分前からVRやARが言われているものの、なかなか進歩せず、これにはコンテンツ制作するのとデバイスが行き渡るのと鶏と卵の問題がなかなか解決できないでいる状態と感じています。
しかし、どこかでブレイクスルーが来る事は間違い無いと思います。
このブレイクスルーはおそらく商業的に成り立つような状態になることが条件になると思いますが、現在ビジネスの現場でVRやAR、特にARが使われるケースが高まっています。
ここで実績やデバイスの価格が安くなっていくことで指数関数的に広がっていくシナリオは高いと考えます。
医療はAIで診断をはじめとして、大きな進化が訪れる
既にウェアラブル端末はたくさん出ており、AIが医者に変わって健康状態をモニタリングして、不調の原因を教えてくれるようになる。
また、遺伝子レベルでの治療や外科手術のロボット化も進んでいく。
ナノテクノロジーで細胞レベルに入れる小さなお医者さんも登場する。
3Dプリンティングで不調になった内臓や四肢なども再生できるようになる。
薬の開発などもAIを使う事で加速度的に新薬が登場するようになる。
さらに本書では、寿命の克服がなされる可能性も示唆される。
「寿命脱出速度」なる考え方が紹介されているが、毎年のように寿命は伸びているが、
寿命が伸びるのが1年を超えた時(1年研究すれば2年分の寿命を延ばすことができるようになった時)、理屈上では死なないことになる。
そんな日がやってくるのも夢ではないと語られている。
寿命が伸びるという研究は、予想以上に早く進むのではないかと思います。
この理由は、お金のある人が多く注目しているからです。
よって、投資資金は集まりやすい状態です。
資金が集まれば、研究開発はどんどん進みます。
しかし、それが故に別の問題が出てきます。投資資金は回収される必要があり、当初はかなり高額な形で提供されることになります。宇宙旅行のようなイメージになるのではないでしょうか。
よって、一般市民が利用できるようになるまでは結構時間がかかるのではないでしょうか。
宇宙旅行と違う点で大きく懸念される点は、人命に関わる話である事。
宇宙旅行なら簡単に諦められますが、生きられる技術があるのに経済格差によって死を選ばなくてはならない事態が許されるのか?
場合によっては武力的な事態に発展するような火種になりかねないと危惧します。
なお、寿命に関連するテクノロジーは、2020年のベストセラーにもなっている「LIFE SPAN」が網羅的に語られています。
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金融・保険・不動産は概念が変わるほど大きな変化が訪れる
保険はそれ自体がなくなる可能性がある。少なくとも今の前提上にはあり得ない。
近年はデータがたくさん取れることで保険業は変化してきたが、自動運転により自動車保険の考え方は大きく変わり、医学の進歩により医療・生命保険も根底から変わる。
金融は、ブロックチェーンやクラウド投資、キャッシュレス経済など規制で守られてきたトラディショナルな企業がテクノロジーによる刷新についていけるか、スタートアップなどにディスラプトされる可能性も大きく、侮れない。
不動産は買い方などもそうだが、自動運転や水上都市など移動しながら暮らすという考えかなど、新しい住まいや場所という考えが提唱される。
金融資産においては、便利になるテクノロジーはどんどん進むと思いますし、実際に今までも進んできました。
特に顕著なのはキャッシュレスでしたが、今後はその勢いがさらに増してくのではないでしょうか?
ただ、金融は思ったよりハードルが高いものとも思います。
ビットコインは国家が発行する通貨とはなかなか相入れないものでしょうし、
株式では簡単に上場し出資金などを集める事は詐欺などの横行にも繋がり規制を厳しくしてく必要もあると思います。
この規制の具合によって、進歩のスピードはゆっくりにもなりえるし、加速的に進こともあると思います。
食の未来も過激!
料理をロボットが作ってくれる。というところまでは予測可能な未来でしょう。
それだけではありません。肉や野菜が人工的に、3Dプリンターなどで作られると語られます。
食糧に関する問題は、生産してから配送する必要がありますが、生産量は十分であるにもかかわらず、全世界の人に全く行き渡っていないということがあります。
結果的に無駄にしてしまっているフードロスという問題が起きています。
さらには生産・配送工程において、大量の二酸化炭素を排出しているという問題もあります。
この問題を受け、食べるところで人工的に生産するという行為が最も効率的であるということになります。
理屈では納得するのですが、食については、人工的に作られた肉を本当に食べたいと思うか疑わしいという気持ちが大きく残ります。
スーパーでも遺伝子操作した食品や食品の生産地などをしっかり確認して買うという事をやっている方も多いのではないでしょうか。
私はテクノロジーとしては発展しつつも、今の形を抜本的に変わるのは実際には時間がかかるのではないかと思います。
ポイントは今までの食材ではなく、デジタルでしか作る事ができないような希少性のある食材や飲食体験が作れるかだと思います。
今までの食を置き換えるのではなく、新たな価値を提供できれば選択肢がそれしかないからです。
なお、繊維業界では100年前に、蚕から作られる絹が石油から作られる繊維にとって変わられました。
食ではこれほど単純に早くは進まないと思いますが、防水の服など新しい価値を提供すれば、必ず選ばれる事になるというのは食でも起こると思います。
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2030年 すべてが加速する未来の著者ディアマンディス氏とコトラー氏はどんな人?
この本の作者は、アメリカ人のピーター・ディアマンディスとスティーブン・コトラーという方です。
ピーター・ディアマンディズ氏
ディアマンデス氏は寿命関連のスタートアップ企業運営(なんと22個目のスタートアップとのこと。。)をしながらシンギュラリティ大学などの団体のリードも兼務しています。
ディアマンデス氏は現在Xプライズ財団のCEOであり、シンギュラリティ大学創立者です。
企業家としては、22個目のスタートアップ企業を運営中とのことですが、今までは長寿、宇宙、ベンチャーキャピタルなどのスタートアップを創設されています。
そして、輝かしい経歴をお持ちです。
MITで分子生物学と航空高額の学位を取得し、ハーバード・メディカルスクールで医学の学位を取得
2008年にはグーグル、3Dシステムズ、NASAの公園を得て、シリコンバレーにシンギュラリティ大学を創設。
2014年にはフォーチュン誌て「世界の偉大なリーダー50人」に選出もされています。
また、日本語に翻訳された著書としては、「ボールド 突き抜ける力 超ド級の成長と富を手に入れ、世界を変える方法」も有名です。
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スティーブン・コトラー
コトラー氏はジャーナリストとして活躍しながら、加速的に変化する中での心理学の研究とトレーニングを中心とする団体を創設もしています。
特に身体パフォーマンスの研究機関フロー・リサーチ・コレクティブのエグゼクティブ・ディレクターです。
ジャーナリストとして手がけた作品は、2度にわたってピュリッツアー賞候補にも上がっています。
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2030年 すべてが加速する未来:まとめ
いかがでしょう?
2030年で語られる未来は、突拍子もないSFではなく、要素技術としては揃っているものを組み合わせ(コンバージェンス)させるとやってくるであろう未来という事で、とてもエキサイティングでありながらリアリティも持ち合わせておりとても魅力的です。
これを踏まえて、新たなサービスを享受する消費者としてワクワクするとともに、
この先の10年間自分はどの業界でどのような仕事をしてくべきか。という問いも考えていくべきではないかなと感じました。
一概に仕事がなくなってくわけではないと思いますが、このような予想やきそうな未来を踏まえて今の会社や仕事がどうなっていくのか、どうしていきたいかという事を考えながら仕事をしていくべきかなと思います。
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私が所属するコンサルティング業界では、このような未来を踏まえて企業に対してDXをはじめとする変革をお手伝いする仕事をしています。
とても魅力的な仕事だと思いますし、世の中の変化をいち早く体験できる業種でもあります。
以下のような記事も書いていますので、よければのそいてみてください。
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