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愛媛 松山の安藤忠雄建築「坂の上の雲 ミュージアム」

坂の上の雲ミュージアム

こんにちは。建築にはめがないkurokoです。

先日愛媛県の松山に旅行してきました。
松山の有名人の一人に正岡子規という詩人がいます。

正岡子規が主人公の一人とした小説を司馬遼太郎が書いたのが「坂の上の雲」です。
もう結構前になりますが、NHKで香川照之が正岡子規を演じた実写版が出てますので、ご存じの方も多いかもしれません。

正岡子規以外に二人主人公がいます。秋山好古と秋山真之です。それぞれ陸軍と海軍に分かれ日露戦争で苦労しながらも大役を果たして日本がロシアに勝利するという物語なのですが、学校で日本史を学んだよりはとても複雑かつストーリーの強い話に仕上がっていまして、とても引き込まれました。

その坂の上の雲を扱った美術館が松山の中心にあるんです!
そして設計したのが安藤忠雄。

安藤忠雄好きとしても、司馬遼太郎好きとしてもこれは絶対に行かなければならない美術館です。
松山について最初に向かったのがこの坂の上の雲ミュージアムでした。
入場料は大人400円なので、ぶらっとよるのにちょうど良いのではないでしょうか?ぜひ愛媛は松山に訪れたらよってみてください!

それでは坂の上の雲ミュージアムを深堀していきます。

 

どこにある?坂の上の雲ミュージアム

坂の上の雲ミュージアム

この入り口の無骨な安藤コンクリートに安藤銀色でかかれたシンプルな表札からして、安藤建築を知る人なら、あ、安藤作品だと気付くような作りですねぇ。

さて、坂の上の雲ミュージアムは大参道という駅の近く、比較的繁華街近くにあります。
しかしミュージアムの周辺は閑静で緑も多い雰囲気です。

というのも地図を見てもらえれば分かりますが、ミュージアムの北側は松山城があります。
南側の繁華街と北側の松山城のちょうど中間にあるんですね。
ですので、坂の上の雲ミュージアムのすぐ裏手は崖になっていて木もたくさん生えているような雰囲気です。

 

入場料は
大人400円
高校生&65歳以上200円
中学生以下はなんと無料

という良心的な設定です。

 

安藤忠雄の坂の上の雲ミュージアムでの仕事

まずは外観をみてみましょう。
安藤コンクリートととともに、鋭角のガラスのフォルムが特徴的です。

坂の上の雲ミュージアム

繁華街の大通りから狭い道を入って、すぐに入り口にはなりません。
建物を右手に見ながら、入り口はちょうど真反対にあり、そこまでぐるっと歩いていく必要があります。

これは絶対意図的に歩かせていて、繁華街から時間をかけて歩かせることで都会から田舎へ、現代から過去へ、心を変化させていくような意図が感じられます。

その間、道を折り曲がるたびに繁華街にいたのに急に木々が生えた自然の中にぽつんとたたずむような美術館に思えてくるので不思議です。

 

細長い小道を歩いていくとようやく美術館の入り口がでてきます。

坂の上の雲ミュージアム

 

中はこんな感じです。
コンクリートと金属が感じられる建具のコラボレーション。
期待を裏切らない安定した安藤建築のつくりです。

坂の上の雲ミュージアム

 

上をみると立体の複雑な空間が、直線を基調として広がっていて、いったいこの先どんな空間体験があるのかワクワクさせてくれます。

坂の上の雲ミュージアム

 

展示品の撮影はNGなので、建物だけの写真のみです。

スロープを登って鑑賞するスタイルです。

坂の上の雲ミュージアム

このスロープを登って鑑賞するスタイルで有名な美術館は、フランク・ロイド・ライトが設計したニューヨークにあるグッゲンハイム美術館を思い出します。

グッゲンハイムは円型で、内側が空いている形と違いはありますが、美術館の鑑賞方法としてスロープで登っていくスタイルを立てたことで議論を巻き起こした建築です。

実はスロープ型の美術館は、美術作品を鑑賞する場としては不適切と言われています。
なぜかというと、スロープの地面が斜めになっている一方で、美術作品は水平に飾られます。
人の感覚が斜めの地面と天井の線が無意識に頭にインプットされるので、美術作品が歪んで見えてしまう可能性があるということです。

しかし、一方でこのグッゲンハイム美術館はとても評価された建築です。
私も学生の時に某大学で安藤忠雄さん自らがグッゲンハイム美術館を講義する授業を受けました。
(すっかり何を言っていたのかはわすれてしまいましたが。。)

 

さて、坂の上の雲ミュージアムにもどりましょう。

スロープをのぼりながら展示作品を楽しみます。

坂の上の雲ミュージアム

なお、坂の上の雲のストーリーに出てくる三人の実際の人物の歴史がいろいろと学ぶことができます。
この美術館に行く前に、もう一度坂の上の雲を復習しておけばよかったなぁと思いました。
ある程度知っているとより楽しめる美術館になっていますよ。

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当時つかわれていた道具や、映像などでの説明もあり、子供と一緒でも結構楽しめるかも!

坂の上の雲ミュージアム

 

内側の展示室も用意されていました。
ここら辺は本当にグッゲンハイム美術館を彷彿とさせますね。

坂の上の雲ミュージアム

 

 

右側は見えにくいですが、司馬遼太郎さんが新聞に寄稿していた坂の上の雲の全記事が貼られています。
坂の上の雲は当初新聞小説だったんですね。

坂の上の雲ミュージアム

新聞小説って毎日少しずつ進んでいく形ですが、ワンピースなどの漫画も含めて疑問に思うのですが、これほどの大作を最初はどこまで考えておくものなんでしょうね。全部書き終えてから細切れにして出すのもなかなか難しい気がしますし、かといって日々書き進めていくのも、いったいどんなペースでどのくらい描くのかというのを決めないまま進めるのも難しいなと想像します。

その中間くらいなんだろうなとは思いつつですが、、
小説家も漫画家もストーリーや絵を描くという能力もすごいですが、この長きにわたってストーリーを作り日々、週の提出をマネージしていくという能力に感服します。

 

スロープで登ってきたところに突如空間をぶった切るように階段が現れます。

坂の上の雲ミュージアム

この階段ちょっと異様です。
まず、どっちの道を進んだらいいのか迷います。

一応順路が書かれているので、これは下専用の階段なんだとわかるのですが、通常美術館の帰りの道は、見ていく導線をあまりけがさないようにするモノだと思います。
この階段は明らかに主張していきていますよね。ここを通ってみない?って。

ある意味では、少しスロープで登っているところから考えさせられたり、ひと段落アクセントをあえてつけるということかなとも思います。

また、この空間に与えているスパイスがなかなか強烈なので、こんな感じで写真もとりたくなっちゃいますし、何かリセットするような感じで使うこともできるかもしれません。
いずれにせよ、展示コンテンツでうまく料理できるととてもよいハードとソフトのコラボになりますし、あまり考えずにコンテンツを配置すると、微妙なコラボになるなと感じました。

 

最上階は大きな展示室があり、季節により企画がかわるようです。
私が訪れたときは日露戦争の大きな戦い、日本海戦を模型やプロジェクションマッピングで結構細かい時系列で表現されていて、当時の奇跡的な勝利の要因がわかりました。

展示が終わると岐路につきます。
そう、主張する階段を使って降りていくことになります。

坂の上の雲ミュージアム

 

この階段、とっても力強く、何か王様が通る道のような感じがして、気分もいいです。

坂の上の雲ミュージアム

実際に通ってみて確かにと思ったのは、帰りではありますが、ワクワクする。
そして、まだ鑑賞している人たちのことも見ながら、自分もまたあそこではああだったよなぁと無意識に思い出していた気がします。

グッゲンハイムもそうですが、スロープで昇らせた後、どのように降らせるかは問題で、通常であれば裏側でそっと降りてくださいという階段があります。
この降りていく体験はまぁまぁ微妙なところで、作品も見終わった安心感というか達成感を一瞬にして現実に引き戻していくような微妙な体験です。この体験をこの階段でもう一つワクワク感があるものに仕立てられているようなきがしました。

 

今回の坂の上の雲ミュージアムのレビューはこの辺にしておきます。
最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

坂の上の雲ミュージアムについては本家サイトをご参照ください。

 

また、建築について、および松山旅行について別記事でBlog書いておりますので、よろしければ覗いてみてください。

 

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